観念と沈黙と ページ8
「そんな黒い箱など見たことがない！！どういう物だ！？」
『いやえっとあの』
「教えてくれ！！」
『と、とりあえず総統様！！こちらに！！』
御無礼失礼します、と言ってグルッペンの手を引いて自分の家へ招き入れる。
誰かにグルッペンと話している事やスマホについてみられては一巻の終わりだ。
扉を閉めてため息を着くと顔を近くに寄せるグルッペン。
……近い近い近い顔がいい近い近い
『そ、総統様。近いです……』
「あぁ、すまない。さて、教えてくれないか？その黒い箱について」
『……ただの黒い箱ですよ』
「黒い箱、と言い張るのは良いが君が他国のスパイであると判断してここで殺すことも出来るんだぞ」
『……』
懐から取り出されたのは黒い銃。
その銃口は私に向けられた。
途端に吹き出る脂汗。
嫌だ、死にたくない。
ぐるぐると考えて私は観念して真実を伝えることにした。
『……今からご説明致します。しかしお願いがございます』
「お願い？」
『今から言うことは全て真実です。嘘偽りなくお話致します。ですからどうか嘘つきだと思わないでいただきたいのです』
「……それは内容によるな」
『嘘だと思われても仕方ありません。ですがどうか殺すのだけはお待ちいただきたいのです』
「……いいだろう。一旦考えよう」
『ありがとうございます。ではお話致します。私の事とこの黒い箱について―』
それから私は自分が異世界から来たこと、この黒い箱はスマートフォン、略してスマホというものであるということ、スマホはどういった機能で動いているのか、何が出来るのか、などを説明した。
グルッペンは疑いの目を向けず深く思考しながら私の話を聞いていたように見えた。
説明が終わって私が何も発さずにいても信用するか否かを考えているのかグルッペンと私の間には長い沈黙が生まれた。
作り話だと思われても仕方ない。だから信用されずにここで殺されたとしても仕方ないのかもしれない、と諦めかけていた時、沈黙は破られた。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
