条件と呼称と ページ46
あんなにあった料理は全て無くなり食器が片付けられ机の上はむしろ寂しいと思えるくらいすっきりした。
料理人さん達が全員にお茶を入れると一口サイズのケーキが沢山並んでいる皿を机に並べる。
これもまたバイキング形式で自由に取れ、という事だろう。
ゾムに取り分けられたご飯のせいでお腹が苦しいが甘い物は別腹だ、と言い聞かせて一つ二つ自分の皿に取り分けた。
甘いものを前にグルッペンも回復した様で目を輝かせながらどれにしようか悩んでいるようだ。
……数人は未だに死んだままだけれど。
「さて、A」
『はい。なんでしょう』
「これで君の条件はクリアしただろう」
『そうですね。誠に不服ながら』
「不服であろうが条件は条件。達成したからにはこちらの要望に応えてもらおう」
『そうですね……お約束ですから』
「では呼んでみてくれ。覚えているかの確認も含めて」
分かりました、と返事をしまずは近くにいる人から、と目線を移す。
ひとらんらんさん、オスマンさん、エーミールさん、鬱さん、ロボロさん、ゾムさん、ショッピさん、チーノさん、コネシマさん、シャオロンさん、トントンさん、そして……
『グルッペン、様』
「なぜだ」
その人を見ながら名前を呼び最後であるグルッペンの名前を様付けで呼ぶとすぐさま疑問の声があがる。
凄い食い気味ですね？反射テストで優勝できるくらいには食い気味でしたよ、総統閣下。
『流石に国のトップの方を様以外で呼ぶのは……』
「約束が違うが？」
『総統様、からは親しくなった呼び方にしたので勘弁してくれませんか』
「………………」
むぅ、と顔を顰めるグルッペン。
実際問題グルッペンをさん付けで呼ぼうが呼び捨てで呼ぼうが私としては何だっていいのだ。
けれど一介の村娘がさん付け、もしくは呼び捨てで呼んでいるのを誰かに聞かれてご覧よ。即反逆罪、もしくは不敬罪で殺される未来しか見えない。
はぁーっと深いため息をついたグルッペンはやれやれと首を振ってこちらを見た。
「条件を飲むのなら了承しよう。ただし飲めないのならばどんな手を使ってでも呼ばせる」
『えっそこまでの事……？』
「そこまでの事にお前がさせたんだろう。それで？聞くか？」
『えぇ……まぁはい』
「条件とは前の呼称でそいつの事を呼んだら、こちらの言う事を何でも聞いてもらおう」
『それは……』
「無論呼称の一つでそんなに重い条件にするつもりはない。こちらが提示したものをやるかやらないかの決定権はお前にある」
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
