食害と脅威と ページ45
「ん？どうしたん？」
『いえ……急に手が出てきて驚いただけです』
「あーすまんすまん！A、やったっけ？なんか欲しいもんあったら取ってきたるで？」
『それは嬉しいんですが何分目移りしてしまって……』
「そうなん？」
『はい。ですからゾム様のおすすめを3.4点選んでいただけると嬉しいのですが』
「ええで！ちょっと待っとってな」
そう言って自分のお皿を席に一旦置くと私のお皿を取ってひょいひょいっと盛っていく。
…………あれ、多すぎでは……？
ちょっとずつ、小さいオードブルのようになって持ってきてくれると思っていたのにゾムが抱えているのは山盛りになっているお皿。
明らかに容量オーバーでは。
満面の笑みでそれを私に差し出した。
「いやーどれも美味いから選びきらんかってん！！いちいち行くのも面倒やろうから全部取ってきたで！！」
『……ありがとう、ございます』
「んふふ！！後でデザートもあるらしいからまた持ってくるな！！」
……まさか私にまで食害が来るとは思わなかった。
味方最大の脅威ってこういうことか。
固まっている私を見て声を押し殺して笑っているグルッペン。
かちんときてゾムに耳打ちをしグルッペンのお皿に料理を山盛りに盛ってもらった。
途端に真っ青になるグルッペン。私、やられたらやり返す人間なので。
あ、このお肉、柔らかくて美味しい。
「トントン〜まだ食い足りんのちゃう〜？」
「食っとる食っとる。食っとるから食い終わらんうちに食いもん追加してくんな」
あ、このパスタのソースも美味しいなぁ。
素材の味はもちろんの事ソースが麺によく絡んでる。
「エミさん手動いてないで？まだいけるやろ？」
「えっいや、あの味わってますので……」
というかこれ野菜が美味しいな。
簡単なサラダなのにみずみずしくて変な苦味とかなく野菜本来の甘さがあって美味しい。
「鬱先生何食べるのやめとんねん。まだ入るやろ！！」
「いやああああ勘弁してください兄貴！！！」
聞こえない聞こえない。
阿鼻叫喚と化しているこの状況なんか見えないし料理の量が減るのと比例して苦しそうになっていくメンバーの顔なんか私は見えない。
机に突っ伏している彼らなんか、私は、見えてない。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
