条件と食害と ページ42
「そう。Aちゃんが皆にして欲しい事を言ってそれを俺らがする代わりに様付けを止める。どう？」
『……それって皆様が嫌な事でも？』
「そうだな。今ここで死ね、とか今すぐ一般人として帰して、など以外なら受け入れよう」
『……ゾム様。ちょっといいですか』
「俺？何？」
少し考えて思いついた『アレ』は協力がないと無理な事を思い出しこそこそとゾムを呼びこちらに来てもらう。
少しだけ屈んでもらい、耳打ちができるくらいの距離になってひそひそと話す。
『あのゾム様。誰かに物を食べさせるのはお好きですか？』
「？おん」
『その時の皆様の反応は嫌そう、または死んだ様な目をしていますか？』
「おん。しとるで」
『ありがとうございます』
「？」
はてなマークを浮かべるゾムを他所に私はグルッペンの方へと向き直り決まりましたよ、と告げる。
ニヤリと笑うグルッペンに私はにっこりと笑い返す。
これなら首を縦に振らないだろう。
「さて、教えてもらおうか」
『はい。でしたら……幹部の皆様にはゾム様と一緒にご飯を食べていただこうかと』
「なんだ、飯を食うだけか？」
『はい。ご飯を食べていただくだけです……ただし』
「ただし？」
『ゾム様が勧めるのを断らないのが条件ですが』
「……それは」
『可能ですよね？勿論。ただご飯を食べるだけですものね？』
にっこりと笑って圧をかける。
きっと首を縦に振らないはずだ。
食害が交換条件なんて嫌に決まっている。
特にグルッペン。胃がとても小さい貴方は究極の選択になるに違いない。
他の幹部達も顔が青ざめていたり苦虫を噛み潰したような顔をしている。
よかった、この世界でも食害っていう行為があって……
グルッペンは深く考えているのかゲン〇ウポーズのまま動かない。
早く「それは無理だから諦めよう」って言ってくれ……
そんな私の願いも虚しく顔を上げたグルッペンはこちらを見てニヤリと笑って言った。
「……いいだろう。受けよう」
『……そうですか』
「了承するのが意外だったか？」
『そうですね。皆様嫌そうな顔もされてましたから断られると思ってましたよ』
「俺はやらんぞ」
「俺もや」
そうか。というグルッペンの声はシッマとシャオちゃんの声にかき消された。
二人とも何故されたくもない様付けを止める、という行為のために受けたくもない食害を受けなくてはならないのだ、と告げた。
……ん？これ使えるのでは？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 510人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【wrwrd】誤召喚された上に放っぽられてキレてたら軍の幹部の人たちに拾われてしま... 【wrwrd】金持ちイケメンの嫁(ヒモ)になりました。
【d!】ウチの戦闘狂カップルは今日も全てを逸する！【zm】もっと見る
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
