自由と約束と ページ32
『自由に生きたいから、でしょうか』
「？どういう事？」
理由なんていっぱいある。
認知されたくない、元の世界に帰りたい、妬まれたくない……けれどそれらを合わせて一つの言葉で言い表すとこうなる。
多分そうだ。私は自由に生きたい。
はてなマークを浮かべるゾムに分かりやすく説明する様に話す。
『例えばご飯を食べたいから食べる、眠たいから眠るというように旅をしたいから国を出る、遊びたいから森で遊ぶみたいな思い立ったら即行動が客人扱いされたらできないじゃないですか』
「そんなんしたいって言ってくれたら」
『【客人】という名称から私はお客なんです。しかも庶民の。そんな身で我儘なんて言えるわけないです。きっと肩身だって狭い』
「……一つだけでも自由に行動が出来たらどう？」
『一つだけ？』
「そう。多分アンタの言う通り庶民が軍人にあれこれ我儘言うなんて客人っていう肩書きがあったとしても難しいと思うねん。でも一つだけやったら心苦しくないんちゃうかなって」
『なるほど……』
確かにそれなら心苦しい事もない。
それならゾムだけじゃなく幹部達も叶えやすいだろう。
私はその提案を受け入れる事を伝えるとゾムはじゃあ何にする？と聞いてきた。
何に……と考えてふと上を見る。
そこには国を出て初めて野宿した時と変わらない星空が広がっていた。
『……星』
「え？」
『星が綺麗な所に私が望んだら連れて行ってください』
「星？それでええの？」
『はい。それで―いえ、それがいいんです』
「ええけど……なんで？」
『星だけは元の世界と一緒だから……』
「ほーん」
見上げながらそう呟いてゾムが頷く。
しばらくぼーっと見つめてふと自分が言った事が恥ずかしくなった。
うわ！！ロマンチストみたいな事言った！！！！
勢いよく起き上がりゾムの方を見る。
急に起き上がった私に何事かと思ったのかゾムは肩を跳ねさせた。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
