交渉と成立と ページ26
「じゃあ最後。床に寝るのはええけどその代わり俺とゾムの間の床で寝ること」
『間……というとここですか？』
ベッドとベッドの間。
ベッドサイドチェストがある部分を指して訊ねるとそう。と反応が返ってくる。
なるほど、ここであれば両サイドから監視することができる床になるというわけだ。
これで逃げる難易度が2倍に増えたよやったね！！嬉しくない！！！！！
けれどこの条件に関しては歓迎していますくらいの気持ちで答えなければ逃亡する事を考えている事がバレてしまう可能性がある。
それならば私の返答は。
『勿論私は大丈夫なんですけど……』
「けど？」
『あの、とても失礼な質問をする事を許してくださいませ』
「？何？」
『お二人共寝相はよい方でしょうか……』
「「は？」」
『いえ、あのベッドとベッドの間で寝ることは全然構わないんですけどもし寝相が悪くベッドから落ちられることがある、という可能性があるのなら怖いなと思いまして……』
押し潰されるのはさすがに勘弁したいのです。と付け加えて二人の顔をチラリと見る。
面食らった様な顔をする二人はパチパチと瞬きをして少しの静寂が訪れた。
静寂を破ったのはゾムのくひひ、という笑い声。
「なんや、随分渋ると思ったらそんな事かいな」
『すみません！！失礼な質問だとは思ったんですが……』
「まぁ大の大人、しかも軍人が上からのしかかってきたら怖いわな」
『は、はい……悪夢を見てしまうかもしれませんね』
「んふふ。悪夢は勘弁やんな。ええよ教えたる。オスマンはめっちゃ寝相ええよ、俺はどうやろ。寝るまでは動くけど寝付いたらあんま動かんかな」
『そ、そうなんですね！！なら安心かな……』
「じゃあ交渉成立って事でええ？」
『はい。我儘を言ってしまって申し訳ありません』
よっしゃ、決まりな！俺風呂入ってくるわ〜と浴室へ向かっていくゾム。
なんとか疑われずにやり取りが終わった事にほっと息を吐く。
なぁ、という声に顔を上げるとティーセットを用意しながらマンちゃんが話しかけてきた。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
