発覚と追いかけっこと ページ22
「ゾムやん。どうした？」
「いやちょっと人探しとんねん。あとオスマンにも会ってこいってグルッペンが」
「人？他国で？」
「せやねん。あんな……」
『……』
そろりそろりと横にずれた後に後退りする。
大丈夫、だって私は変装をしていてゾムにだって会ったことないんだから。
大丈夫バレないバレない。
動いた私に気付いたのか言葉を途中で止めこちらをじっと見つめるゾム。
見つめてる中逃げる訳にも行かなくてただ立ち止まり早く目を逸らして、と願う。
そんな願いも虚しくスッと近付き私の匂いをスン、と嗅ぐ。
「……お前、もしかして」
『失礼します！！！！！！！！！！』
「えっちょ、Aちゃん！？」
「おい！！待てや！！」
やばいやばいやばいやばい！！！！！！
気付かれた！！！絶対気付かれた！！！！！
静止の声を無視してひたすらに走る。
ゾム、というか軍人に足の速さで勝てる見込みなんて最初からないので斜線を切る様に走っていく。
マンちゃんのどういう事なん！？という声やゾムのあいつが探しとったやつやねん！！という言い合いをBGMにひたすら走る。
心臓がバクバクして息もしづらくなってきた。
かひゅ、と息が漏れ出すのも無視してひたすらに足を動かす。
「っくそ！！いい加減止まれや！！」
「そんなこと、言われてっ、止まるくらいならっ！！逃げてない、ですっ！！！！！」
イラつきを混ぜ合わせた声で話しかけられ声も切れ切れに返事を返す。
叫んだせいもあり私の体力はもう限界を迎えようとしていた。
これは撒かないと多分無理だよなぁ…………
撒く……撒けるか？こんな軍人の人達を？
いや出来ると信じるしかない。彼らは他国の人間、つまりこの国の土地勘はないはずだ。まぁ、私も他国の人間なのだけれども。
裏路地の迷路のような場所に行けば可能性はあるはずだ。
先日偶然迷い込んだ迷路のような街並みを思い出してそこに向けて走り出した。
この裏路地は曲がり角が多く道が複数繋がっており下手すれば同じところをぐるぐる回ることになるような路地になっている。
その中で曲がり角を曲がって直ぐに曲がり角がある所がある。
そこで同じ曲がり角を曲がりさえしなければきっと撒けるはず。
必死に走って限界なんてとうに迎えているはずなのに必死に足を動かす。
左、右、左、右、右……ずっと曲がり続けようやく例の場所まで辿り着いた。
ここを右に曲がって、すぐ右に……！！
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
