朦朧と遭遇と ページ19
『くしゅんっ！！』
くしゃみの勢いで緩んだ鼻をすする。
咳も出る、熱っぽい……これは完全に。
『風邪、引いたなぁ……』
このくらいなら大丈夫だろうと小雨の中野宿したのがいけなかったな、多分。
ダメだ、熱がある事を自覚したら何も考えられない。
バッグの中に薬がないか探してみたが入っていない。
いつまでもここにいるわけにもいかないし街におりて薬を買って飲もう。
気だるげな身体に鞭を打って街へと向かった。
ダメだ、視界に何を入れても認識できない。
これは久しぶりの高熱なんだろうなぁ……
酔っ払いの千鳥足の様にフラフラと歩いていたためかボスン、と誰かに当たってしまった。
ふと上を見上げるとそこにいたのは緑の軍服を着て頭に赤いトルコ帽を被った糸目の人。
あ、マンちゃんだ。夢かなぁ。
『オスマン様……』
「……！？」
立ち絵通り美人さんだなぁ。やっぱりJKって言われてるだけあるしなぁ。
ふにゃ、と顔が緩んだと同時にいつものニコニコ顔で微笑むマンちゃん。
ああやっぱり美人さんだ。
「……めっちゃフラフラしとるけど大丈夫？」
『あは、熱があるみたいで……』
「熱？そらはよ休まな。宿は？どこなん？」
『宿ないんです〜野宿してて〜』
「……」
ふへへ、と笑うと急に浮遊感に襲われた。
あ、やっぱりこれは夢だ。マンちゃんにお姫様抱っこされてるなんて夢以外の何物でもない。
いい夢だな、このまま死んでもいいかもなぁ。
ぼーっとしながら運ばれてようやく下ろされたのは高そうな部屋のベッドだった。
「乱暴に連れてきてゴメンな？」
『んぇ？』
「ほら、一旦寝や？」
『ん……』
布団をかけられ頭を撫でられているとマンちゃんの少し冷たい手が気持ちよくて眠気に襲われ私はそのまま意識を手放した。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
