了承と右腕と ページ14
「チッ。そんかわり危険やと判断したら速攻叩き出したるからな！！」
「ああ。いいだろう！！」
コネシマがビッ！と此方に指を指して告げる。
俺としては全く心配することでは無いのでニヤリと笑ってそれを承諾した。
話し合いの結果明日迎えに行くと言う事になり顔を合わせている俺と護衛としてゾムがついてくるという事になった。
様々なことを言い合いながら部屋を出ていく仲間達。
満足気な俺の横で未だに部屋から出ないトン氏は何か言いたげにじっと俺を見ている。
俺とトン氏以外部屋には誰もいなくなり部屋は静寂に包まれた。
ずっと俺を見つめているトン氏が口を開く。
「……嘘やろ」
「……何がだ？」
「情報全て覚えとらんってとこ」
「あぁ。勿論嘘だが？」
「はぁ……そうやと思ったわ」
あっけらかんと言う俺に呆れた様に深くため息をつくトン氏。
毎回苦労させてすまないと思いながらもなんだかんだ許してくれるこいつの優しさにいつも甘えてしまう。
くっくっく、と笑いながらトン氏の方を見る。
「流石トン氏やな。よく分かっている」
「伊達にグルさんの右腕やっとらんわ……んで？ほんまの理由はなんなん？」
「興味がある」
「……そんだけ？」
「嗚呼それだけだが？」
「アホなん？」
「酷いな」
「本当の事やろ」
酷いやつだ。
考えていたよりも単純な理由で肩の力が抜けたのかぽかんとした顔をうかべるトン氏は実に滑稽だった。
しかし嘘は言っていない。興味があると言ったことも皆の前で言ったことも。
はぁ、と一呼吸おいて俺はトン氏に説明した。
「勿論アイツらの前で言ったことは嘘じゃないぞ。聞いた情報は覚えてはいるが生憎俺はそっち方面に詳しくない。やから理解出来ないことも多い。ロボロだって忙しいやつだ。いちいち城下に行く暇だって省きたいだろう。だから城に招けばその手間も省けると思ったんだが」
「それはそうやけど。はぁ……俺がいくら言ってもどうせ聞かんのやろ。好きにしろや」
「すまないな」
「すまん思うんやったら仕事してくれると助かるんですけどねぇ」
「それは勘弁」
「逃がさんで」
ダッシュで逃げようとする俺の首根っこを掴んで椅子に座らせられる。
ちらりとトン氏の方を見ると粛清剣片手に早くやれや、と言わんばかりの目をこちらに向けていた。
これはやるしかないんやろうな……
この後しっかりと書類仕事をさせられたのは言うまでもないだろう。
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みかん - おおおおおお面白いっ!!頑張って下さい 失踪しないで貰えると助かります (2020年11月28日 2時) (
レス) id: 400c5ef02d (このIDを非表示/違反報告)
ばか - 神ですか？神ですね (2020年11月27日 20時) (レス) id: c631d10487 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 続き楽しみにしてまーす！！！頑張れんこん！ (2020年11月12日 19時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢 | 作成日時：2020年10月3日 14時
