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「 でもさ〜えげついよなあの事件 」
大学の食堂で、隣の席でカチャカチャとカレーをかき混ぜながら亮ちゃんが言う。
「 恋人殺すまではまあよく聞く話やけどさ〜 」
汚いからやめて欲しい、なんて言ったらもう代返してくれない気がするから言えない。
「 普通さあ、死体ちょんぎって鍋に入れたりできひんやろ 」
そういえば、丸山さんは何かサークルに入っていたんだろうか。
あの人柄で、あの物腰なら、映研とか。ああでも、たまにベースの音が聞こえていたから軽音か。
「 恋人煮つめた飯食うって、ただの変態やんけ 」
それにしても、あの料理の腕はどこで磨けばあれほど上達するんだろうか。
バイト？バイトであれだけの腕前があれば店が開けるくらいだ。バイト先くらい聞いておけば良かった。
「 配ったりしてたらしいで？まあ今どき知らん奴の飯受け取る奴おらんかったらしいけど 」
「 なあ亮ちゃん 」
「 キモイよなあ 」
「 何かいいバイト先知らへん？ 」
「 バイト？カラオケ屋嫌になったん 」
「 食べ物関係で。何か知らん？ 」
「 あーサイゼでいいんちゃう 」
ここのカラオケでバイトし始めて、そろそろ3ヶ月が経つ。
隣にデカい店が立ってから客足は格段に減ったから仕事は楽だ。
「 あ、またあの事件やってる 」
「 亮ちゃんそれ塩かけすぎ 」
「 見て見て、ここの地名大倉の家の近所ちゃうん 」
「 なあもうまたお客さんからクレーム入るって 」
亮ちゃんは、自分がポテトに山ほど塩かけるからって、提供するポテトにも目に見えるほど塩かけるから、お客さんからのクレームが鳴り止まない。
呑気に厨房からの隙間に見えるテレビ指さしながら、適当にケチャップを乗せる。
「 じゃあ大倉これ406よろしく 」
バイトを終えて帰宅して、家で一人。丸山さんが住んでいた方の壁を見つめながらふと思う。
丸山さんがいなくなって一週間くらいが経つけど、他に話題がないのかニュースは丸山さんの事件で持ち切りだし、それを見て俺が思うことがある訳でもない。
でも、きっと、丸山さんは俺のことを好きだった気がする。
根拠もないけど、きっと。
俺が死んでいたら、同じようにそうなっていたんだろうか。
あの料理は、あの人のために作ったんだろうか。
おれは、
『 夜分遅くにすいません、ちょっとお話いいですか 』
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続く
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ぺぺ(プロフ) - コメント失礼します！oreoさんの甘くてすこしほの暗い感じの雰囲気がだいすきです:)よろしければ橙黒をおねがいします。 (2019年2月9日 0時) (
レス) id: 3badf47f8d (このIDを非表示/違反報告)
Kちゃん(プロフ) - アーセナル攻めでエース受けで長編お願いします (2017年3月31日 2時) (レス) id: d53f1e00f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：oreo | 作成日時：2017年3月8日 22時
