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心のどこかで、それが本当であってもかわいいなんて 思っていたからだろうか。それとも眼鏡の度が合わなくなってきたからだろうか。
目の前にある一番高そうでギラギラしたホテルから、うちの制服の生徒が見える。サラサラの綺麗に切りそろえられた真っ黒な髪に ガタ付いた前髪。その隙間から見える大きな丸い目。その目と、目が 合う
「 …… センセ？ 」
隣には渋谷の親よりも年上に見えるハゲ散らかした男がいるけど。手には何枚もの万札を握り締めているけど。首には縄か何かで擦れた跡とキスマークがあるけど。渋谷は、カワイイ。
先生やあ、なんて笑いながら オヤジそっちのけで駆け寄って来て 俺の目の前でにこにこ笑う。
「 せんせえ、なにしてんの 」
「 見回り。…… 渋谷みたいな子が居らんか、見回ってんの 」
「 へえ じゃあすばるワルイ子やね 」
「 …… そうやな 」
「 先生やから、お金いらんよ 」
「 は 」
「 でもここ高いから、むこう行こ 」
いつもみたいに寡黙な渋谷はどこに行ったのか、つらつらとふわふわと 小さい口を動かして俺を誘導する。
カメラないとこがいいよね、なんて笑って 結局無人のラブホまで腕を引かれて 渋谷がキーを取ってカメラを切る。
なんだ ぜんぶ気付かれていたのか。
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「 せんせい、すばるって呼んで 」
「 ええ、ちょっと 展開はやすぎひん？ 」
「 ゆっくりだと せんせい、逃げちゃうやろ 」
「 ほら、ねえ すばるって呼んでよ せんせえ 」
「 …… すばる、くん 」
「 ふふ せんせい 俺のこと好き？ 」
「 え 」
「 おれはすき いっぱい見てくれるから 」
「 おれがひとりで昼食うてんの、よく見てるやろ 」
渋谷は よく駐輪場で昼飯を食べていた。禁止されているわけではないけど人は全く来ない駐輪場で。職員室からよく見える、駐輪場で。
近所の家で飼っている猫がよく学校にいることがあるが、あれは渋谷のせいだ。駐輪場にやってくる猫に 渋谷が餌をやるから、懐いてしまって 居着いているんだ。それもこれも、俺がわざわざコンビニで昼飯を買ってから出勤しているのも全部、渋谷が見たいがためだった。
「 しってたよおれ、猫ごめんなさい 」
「 ええよ別に 俺は 」
「 ねこ、殺しちゃった 」
そんなことどうだっていいから、早く抱かせろよ。
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ぺぺ(プロフ) - コメント失礼します！oreoさんの甘くてすこしほの暗い感じの雰囲気がだいすきです:)よろしければ橙黒をおねがいします。 (2019年2月9日 0時) (
レス) id: 3badf47f8d (このIDを非表示/違反報告)
Kちゃん(プロフ) - アーセナル攻めでエース受けで長編お願いします (2017年3月31日 2時) (レス) id: d53f1e00f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：oreo | 作成日時：2017年3月8日 22時
