これから(黒川要)(菫) ページ10
ー
部活。
そう、それは自分の大切で、輝ける、唯一の場所。
受験生と呼ばれる自分達は、今年でそんな部活も最後なのに、練習時間が取れない。
これは由々しき事態だ。
なので、授業が終わり次第、早く部活に行くという事を心がけている。
…当たり前と言えばそうだけどな。
「はぁぁー、やっと部活行ける……」
『…奏?』
「兄ちゃんか
…待って、3年授業終わったの?」
『終わったぞ』
えぇぇ嘘だぁぁ、と奏は頭を抱えて喚いているが、
黒川奏、13歳、吹奏楽部所属、トロンボーン担当。
1年生の姿があまり見えない廊下で、一体何をしていたのかは検討もつかないが、大抵ろくでもない事をしていたんだろう。
『イでっ
小突くな』
「失礼な事考えてる方が悪いでしょ」
でね、今日部活行こうと思ったら色々あって、と奏が1人語り出す。
それを適当にあしらいながらも同じ速度で音楽室に向かい、歩いて行く。
早く楽器を吹きたい、皆んなのいる、あの雰囲気の部活に行きたい。
そんな思いが先走りしたのか、歩く速さも上がっていく…今は♩=180くらいだろうか。
いや、大分早いな。
今日もどうせ鬼の裏拍をやるんだろう、とか考えていた。
自分と奏が早歩きをしていたからか、誰かの後ろ姿も見えてきた。
たったったった、奏はその背中を追いかける為話途中で走り出す。
「せんぱーい!お疲れ様です!」
「疲れるほど勉強してないわ
まだまだこれから、でしょ?」
「あはは、そうですね!」
賑やかで明るい声がこちらまで聞こえてくる。
確かに、自分達はこれからだ。
奏達に続いて、自分も扉を開け音楽室に入る。
うん。
部活はこうでなくっちゃ。
ー
先輩
_吹奏楽部の先輩
要が先に見つけていたのはここだけの話
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱらら(プロフ) - 更新します(遅くなり申し訳ありません) (2022年6月4日 10時) (レス) id: 528bfd8f20 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 続き更新します (2022年4月10日 17時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - すみません、時間がなくて一旦非公開にしました。数日のうちに続きも書いて公開します (2022年4月8日 12時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 更新しまーす (2022年4月8日 7時) (レス) @page21 id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
紙絵師marice(プロフ) - 更新します (2022年4月7日 21時) (レス) id: e06cd5eee5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ