ー奏ー 聴け!!!!!僕たちの音！

最高のコンサートへ　(紺野結/ゆいまる) ページ26

突然部長と顧問から発せられたこの言葉。

杰「今度、クリスマスコンサートを行うことになった」



全員が張り切って練習をする中、俺は1人悩んでいた。
フルートとして出るか、ピッコロとして出るか。

曲にもよるけど、いつもフルートを吹いてるからピッコロとしても出てみたいという思いが多少あるんよな。
でもその代わりに「普段吹いていないからミスりやすい」というリスクが伴う。


…フルートにしよか。せっかくのクリスマスコンサートを、俺のミスで台無しにしたくないねん。



もうこんな悩みなんて吹っ飛ばして、うちの中で練習を始めた。





…………まだ俺と弟が、サンタを信じていると信じていてプレゼントの準備をしている兄を背に。

コソコソとなんのプレゼントを準備しているのか知らないが、すごく気が散る。


『兄さん、何してるんだ？』

兄「ナ、ナンデモナイヨー」

嘘が下手すぎん？？
流石にこれは無理があるやろ。

弟「兄さん、流石にこれは分かりやすすぎない？」

ドン引きしている弟を横目で見ながら()兄の方に向き直る。
いつの間にか退室していたが、きっとまた懲りずにプレゼントを用意するんやろな。
まあ割と実用的なものなのでありがたいけど。


そんなことを頭の片隅に記憶しながら、フルートの練習を始めた。

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