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自分を変えられる場所 (白羽美琴) (じゃんぷスノ) ページ15

美琴side




チャイムが鳴ると、
クラスメイトが一斉に教室を出ていった。

まるで、その音がスタートの合図か、とでもいうように。



もちろん、私だって早く部活にいきたい。
部活は、私にとって一番最高なものなのだから。



そんなことを思いながら、つい最近買ってもらったばかりの、
自分だけのフルート(ケース)を手にし、カバンを背負って教室を出た。




「白羽さんって、吹奏楽なの?」


「…っえ、あ、はい…」




突然話しかけられて、思わず後ずさりしそうになったものの、なんとか返事をした。




「へえー、初めて知った!
なんか、美術部とかのイメージあったもん笑」




それは、いつになく言われる。

多分、私の性格とかからなんだろうけど。




「何の楽器?」


「あ、えと、フルート、です、」


「へえー、かっこいい!…じゃあ、頑張ってね!」


「あ、はい…」




こんなやり取りをしたのは、果たして何十回目だろうか。

みんなもみんなで、何回美術部と間違ったら気が済むのだろう。



…まあ、そんなことはどうでもよくて。



とりあえず、今からは部活だ。



――




「失礼します…」




音楽室に入ると、何人かがこちらを振り向き、
「こんにちは」なんて声をかけて下さった。



目立ちたくないという一心で、そそくさと自分の定位置に向かう。



ケースを開くと、日の光に照らされて輝いている、私のフルートが現れた。



…今日もよろしく。



そう思ってフルートを組み立てると、頭部管で音を出し始める。



Aと高音(何の音だっけ…)を3、4分ほど吹くと、
マイクをフルートに付けてチューナーの電源を入れ、深く息を吸った。



遠くの方を見ながら、チューニングB♭を吹く。



すると、一発でピッチが合った。

やった、なんて心の中で軽くガッツポーズをしながら、
他の音やスケールの練習もした。



ちらっと周りを見ると、同じフルートパートの、紺野先輩の姿が。



ピッコロもやってたりするし、実力が高すぎるから、自分には到底かなわない。



でも、だからといって負けるわけにもいかない。



上手くなるために、コツを教えてもらったり、
体力をつけるためのランニングや、
寝る前の腹筋もほぼ毎日やったりして、
自分ながらに努力はしている…つもりだ。



…って、紺野先輩に、ここのリズムを教えてもらわないと…。



――




毎日忙しいけど、そんな中でも、



部活という名の楽しくて最高の時間が、今日もまた、始まる。

practice 《東我 杰円》→←焦りすぎちゃった!(流山藍)(紙絵師marice)



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ぱらら(プロフ) - 更新します(遅くなり申し訳ありません) (2022年6月4日 10時) (レス) id: 528bfd8f20 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 続き更新します (2022年4月10日 17時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - すみません、時間がなくて一旦非公開にしました。数日のうちに続きも書いて公開します (2022年4月8日 12時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 更新しまーす (2022年4月8日 7時) (レス) @page21 id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
紙絵師marice(プロフ) - 更新します (2022年4月7日 21時) (レス) id: e06cd5eee5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くう+a! x他9人 | 作者ホームページ:ない。  
作成日時:2022年3月12日 18時

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