鳥籠 (ページ6)

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俺よりいい男なんていっぱい居るし、俺なんかがアピールしても叶わないだろう

そう思って、ちょっと肩を下げた時

花梨が、制服の袖を少し、ほんの少しだけ引っ張って

「スっ、好きになってない……よね、？」

なんて、可愛く言うもんだから。

「……おん、俺は花梨一筋やで！」

そう、言って聞かせた。

花梨にも、自分にも。

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だから、‪噂の彼女と、……Aと、2人で歩くのは少し気が引けた

花梨が何か言うんじゃないかな、なんて考えながら話してた。

「彼女に持ってないもんは無いから、姉として恥ずかしい、……やって。ほんまなん？」

だから、ちょっと揺さぶってみた。興味本位で。

そしたら、「だったら、良かったですけどね」なんて

綺麗に、儚く、何かを含んで笑うから

気になってしまう。彼女の甘ったるい瞳を見つめてしまう。

生徒会室にそのまま入ろうとする彼女の腕を優しく掴むと、彼女は少し驚いて首を傾ける

『……どうされました？』

「……なんか、…………」

『…………』

「やっぱなんでもっ『ロボロ先輩は、』……うん｣

『愛に、種類があると思いますか』

ぎゅっと、綺麗な顔を歪めて、綺麗な透き通った茶色い可愛い瞳に涙を溜めて、そう聞くもんだから

「…うん、思うで」

イエスとしか、言えなかった

『少し、話を聞いていただいてもいいですか』

もちろん、と答えると彼女は、…Aは、空き教室に行こうと言ってきた。

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ロボロ先輩は、私と話をきちんと聞いてくれるのだろうか

分からない、けど、きっと

聞いてくれる気がする、と本能が叫ぶから、しょうがなく

少しだけ、話してみることにした

放課後の空き教室、真ん中の方の席に座って、ロボロさんは前の席に座ってこちらを向いていた

『……私、姉より親に愛されてる自覚はあるんです』

『…………っでも、姉の方が、先輩みたいな、素敵な、お友達が』

『私には、私のオトモダチは、外見しか見てなくて』

『そんなこといったって、誰も信じてくれないし…』

手に雫がぽたぽたと落ちる

どうしよう、言葉が続かない

だから何？なんて、言われてしまえば

入学してすぐなのに、私はもう、怖くて学校に通えなくなってしまう

ゆっくり息を吐いて、チラリとロボロさんの顔を見る

彼は机に頬杖をついて、「……そか、」と呟いた

同情でも、拒絶でもなく、ただ、相槌をうってくれた

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