スノ担、マネになる。3

♯113 ページ13

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『雪襠side』




雪襠「さっくん、目、腫れちゃうよ」



それでも


一向に止まらない涙を


さっくんは拭い続けた




雪襠「さっくん、」




佐久間「、、んぅ、、っ、、」



何かから逃れるように

払うように

目を擦り続けるさっくんの手を







雪襠「もうっ、、、やめてっ、、」





握った





佐久間「っ、、、」





雪襠「こっち見て、さっくん」





淡く赤くなってしまった目が


ゆっくりとわたしを見て




目があった瞬間



またさっくんの目が潤んで



涙が溢れ出した






わたしは持っていたハンカチで




さっくんの涙を




擦らないように優しく拭くと









雪襠「わっ、、、」









さっくんは擦り寄るように




ぎゅっとわたしを抱きしめて




また泣き出した









佐久間「Aっ、、、」









わたしはずっと、怖かった。









いつも笑顔のさっくんは






周りの人によく、






"元気を貰える"と言われている







さっくんは人を元気にできる人だ。







でも、涼太くんが言ってたように






底抜けの明るさじゃない





だから、誰かに与えた、あげた元気の分だけ





さっくんの心は





だんだんとそのプレッシャーに蝕まれて行ってた


押し潰されそうになってた





気づいていたけど



何もできなかった




本人がそれを望んでいたから。








わたしは、怖かった







いつかそんなさっくんが



我慢して我慢して我慢した挙句に



それが爆発して



爆発したまま



もうさっくんの笑顔は



見られないんじゃないか




前世でも、ぼんやりそう思ってた


どこかの誰かが、


さっくんの弱いところも暗いところも


全部受け止めて、受け入れて


包んであげられる人がいたらいいなって


そんな人に出会えるといいなって


そんな人が身近にいてくれるといいなって


他人事で、綺麗事だった






でも、今さっくんの隣にいるのはわたしで


背中にあるさっくんの手は





助けを求めていた








雪襠「さっくん、、




　 たくさん、たくさん


　 メンバーのために、ファンのために


　 ずぅっと我慢して


　 みんなを守ってくれてたんだよね。






　 でも、、、





　 それでさっくんが悲しくなるのは


　 わたしは嫌だ、。





　 みんながさっくんに救われてる。







　 じゃあ、





　 さっくんは、誰に救ってもらうの？




　 もう、一人で背負わなくてもいいんだよ？」

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