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ー村上ー
自室に戻ろうと歩いていると、その部屋の前で向こうから歩いてきた蓮と会う。
この薬舗問屋と廻船問屋は隣り合っていて、中庭を挟んでそれぞれの敷地が広がっているが、渡り廊下を渡れば簡単に行き来ができるし、裏庭の方まで進めば繋がっている。
俺と蓮の部屋はちょうどその裏の方にある部屋で、敷地は違うけれど実質隣り合った部屋になっているのだ。
目黒「どこに行っていた」
村上「あの子のところだよ」
目黒「、、そうか」
村上「、、蓮、」
自室に入ろうとする蓮に思わず声をかけた。
目黒「なに？」
村上「本当にあの子を追い出す気なの？」
目黒「、、、かぐやか？」
村上「え？」
目黒「お前が、あいつをここに置いておきたい理由だよ。かぐやが憑いてるからか？」
村上「、、正直言うと、そうだよ。かぐやが憑いていると分かった時から、ここに置いておこうと思った。
でもね、それだけじゃないんだ。」
目黒「、、なんだよ」
村上「あの子の記憶を見ている時、自分の中でいろんなものが溢れて来た。あの時の事、心の奥深くに閉じ込めて隠してたものを引っ張り出されたみたいだった。
たぶん、みんなそうだったと思うけど、」
目黒「、、それが？」
村上「もし、あの子をここから追い出すのなら、俺たちはあいつらとおんなじなんじゃないかな。
利用するだけ利用して、切り捨てる。
裏切って、周りの人間ごと無かったことにする。
あの時と、あいつらのやってることと、一緒だ。」
目黒「どこが一緒なんだよ。全然違う。
あいつらは自分達の利益のために、思想のために、たったそれだけのために、何の罪もない人間や妖をどれだけ殺した？
俺たちは、この都を守りたいだけだろ、」
村上「、、ねぇ、でも俺は思うんだよ。
追い出せば死ぬと分かってる子をここから追い出し、訳もわからぬまま出て行ったあの子が、俺たちの目の届かないところで人知れず陰陽師の手にかかって、、。
俺は、、絶対に、一生後悔する、。」
目黒「、、、」
村上「これは、、白龍とは違う、、。
人間としての感情の話だよ、、蓮。」
目黒「、、人間としての、感情、、？」
村上「蓮も、感じたんでしょ？
妖としてのかぐやとの繋がりとは別に、忘れかけてた人間としての心の揺らぎを、、」
目黒「、、、そんなもの、あの日、あの場所に置いて来た」
村上「蓮っ、」
蓮はそのまま、部屋に入ってしまった。
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スヒョン(プロフ) - m.mさん» コメントありがとうございます！頑張って編集した甲斐がありました。お話も随時更新していくので読んでくださると嬉しいです！ (9月7日 12時) (
レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
m.m - 今回の動画胸熱すぎました！何回もリピしてます！小説も動画も更新楽しみにしてます！ (9月6日 20時) (レス) id: c7ba4a52f7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - くみさん» くみさんコメントありがとうございます😊少しずつみんなの過去が明らかになってくるので読んでいただけると嬉しいです。 (6月12日 15時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！毎回楽しみに読ませて頂いております！皆さん悲しい過去を背負って生きてきたのですね｡･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡ (6月11日 21時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年6月8日 13時
