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門までは見張りの人が居たのに、中に入ると人が1人も居ない。でもその代わりに妖がたくさん居た。
誰かに袖を引っ張られたと思って振り返ると、マリを持った小さな女の子が立っている。
向井「わ、座敷童が自分から出てくるなんて珍しいなぁ」
『座敷童、、』
座敷童「かぐやさま。」
わたしに向かってそう言うと、小さい体で精一杯のお辞儀をして去っていってしまった。
向井「やっぱ妖には分かるんやな。かぐやが憑いてるの」
『そう、ですね』
向井「ここにはな、人は一人も住んでないねん。」
『お城なのにですか？』
向井「ここお城は形だけ。この朧の都は、陰陽師からのがれたい人間が妖のために作った都だから。」
『陰陽師から逃れたい人間？』
向井「そう。何十年も前からあいつらはそうやった。自分達に従わない妖や人間は表向きは謀反として始末した。お上は陰陽師の言いなりやからな。誰も逆らわれへんねん。」
『、、。』
向井「あ、そうや。案内したいのはここだけやないねん。向こう側も案内せんとな。」
『向こう側？』
向井「せやで。中には入らんけどな。」
『、、？』
向井さんと一緒にお城の一番奥の方に進んでいく。奥に入れば入るほど妖が多くなって、まるで何かを守ってるみたいだった。
一番広い部屋の着くと、その奥にある掛け軸を指差した。
向井「あの掛け軸が、向こうに繋がってる。」
掛け軸には朱色を基調とした絵が書かれていた。
『向こう側って、、』
向井「妖の世界。」
『妖の世界？』
向井「そう。こっちからは妖憑きやないと行き来できひんし、向こうからは人間に害をなさないと判断された妖しかこっちには来られない。」
『判断って、誰が、？』
向井「真都とか、蓮とか、玉藻が決めてるみたいやけど、まぁあの3人やったら間違いないかな。」
『皆さんは、、その、』
向井「ん？」
『、、どうしてここに？』
向井「、、んー、守りたかったからかな。」
『守る？』
向井「うん。あいつらから、陰陽師から家族や兄弟を守りたくてここに来た。俺にとっては護衛してくれてるあいつらやな。」
『何があったの、？』
向井「それぞれやで、みんなの事情は。でも、みんな一緒やで。大事な人たちを守りたかった。」
向井さんはそう言うと、わたしに手を伸ばしてきた。
向井「記憶、見せてくれたから。俺もお返し。」
『いいんですか？』
向井「ええよ。」
微笑んでいて、でもどこか哀しそうな向井さんの手を握ってゆっくり目を閉じた。
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スヒョン(プロフ) - m.mさん» コメントありがとうございます！頑張って編集した甲斐がありました。お話も随時更新していくので読んでくださると嬉しいです！ (9月7日 12時) (
レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
m.m - 今回の動画胸熱すぎました！何回もリピしてます！小説も動画も更新楽しみにしてます！ (9月6日 20時) (レス) id: c7ba4a52f7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - くみさん» くみさんコメントありがとうございます😊少しずつみんなの過去が明らかになってくるので読んでいただけると嬉しいです。 (6月12日 15時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！毎回楽しみに読ませて頂いております！皆さん悲しい過去を背負って生きてきたのですね｡･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡ (6月11日 21時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年6月8日 13時
