スノ担、マネになる。 (ページ26)

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♯26 渡辺side ページ26

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『渡辺side』

俺は、かすり傷ひとつなかった。

でもあいつは結構傷が酷かったみたいで

病院に行って処置して

町田さんがもう帰って良いって言ったみたいけど

そのまま劇場に帰ってきた。

けどもう稽古は終わってて

みんな帰り支度を始めていた

深澤「大丈夫だったの？」

雪襠「はい！！大袈裟に包帯巻かれてるだけで

　なんともないです！」

深澤「なんともないは嘘でしょww」

目黒「よかった、ほんとに。」

向井「ほんまに心臓止まるかと思ったわ、」

雪襠「向井さんはいっつも大袈裟だからなぁ」

向井「ちょ、ほんまやって！

　めっちゃ焦ったんやから！」

佐久間「よかったよ、大事に至らなくて」

雪襠「わたし丈夫なんで！

　あのくらいじゃ全然！」

笑いながら話してるあいつの肩には

包帯がぐるぐる巻いてあって

たまに肩を押さえながら話していた

岩本「あんだけ固定されてるってことは

　動かすの痛いだろうな」

一瞬雪襠の方を見て

ボソッとそう言った照

何回も怪我をしている俺たちなら

あれがどんだけ大きい怪我だったのかわかる

岩本「俺も、照明が落ちてくるのは見えてた。

　けど、体が動かなかった。

　みんなそうだったと思う。

　悔しいけど、あの一瞬で

　あいつだけが

　後先考えずに飛び込んで行った。

　必死な顔して。

　、、なんでだろうな。」

独り言みたいにポツポツ話す照は

そのまま荷物を持って

岩本「先に車乗ってるわ」

そう言って劇場を出て行った

渡辺「なんでって、、、

　俺が聞きてぇよ。」

まだ、帰り支度も終わらないまま

みんなの中心にいるあいつのところに

足を進める。

深澤「翔太、」

渡辺「、、また余計なこと、しやがって、、」

佐久間「翔太っ」

深澤「佐久間、、待って、」

雪襠「でも、今回は謝りませんよ。

　わたしはこれでよかったって

　そう思ってます。

　余計なことなんて思ってません。」

渡辺「、、、そうかよ。」

乱暴にポケットに手を突っ込むと

ガサっと乾いた感触が引っ掛かる。

渡辺「これ、、」

ポケットから引っ張り出して

渡辺「拾ったから、渡しとく。」

雪襠「これっ、、読みました、、？」

それは涼太から渡されたノートの紙

渡辺「読めねぇだろ、そんなん。」

雪襠「ですよね、、」

渡辺「今度からは馴染まないペンて書けよ。」

顔を見ないでそう言った