スノ担、マネになる。 (ページ25)

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♯25 渡辺side ページ25

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『渡辺side』

あれから三日経っても

俺はあの紙を雪襠に返せないでいた。

そして今日は滝沢歌舞伎の小屋入りの日

今日から新橋演舞場での稽古に切り替わる。

到着早々に楽屋の準備をして打ち合わせに行く。

舞台の上では仕込みが始まっていて

音響、照明、大道具、

沢山のスタッフがこの舞台のために動いていた。

あいつも何やらバタバタしていて

メンバーのサポートやスタッフとの情報共有に

追われているようだった。

宮舘「今日はちゃんと返しなよ？翔太」

渡辺「、、、。」

宮舘「翔太、」

渡辺「わかってるよ、」

打ち合わせが終わって

各演目の場当たりが始まった

稽古着のまま舞台に立って

照明の場当たりなどをしていく

滝沢「渡辺、ちょっと上(かみ)寄りで」

渡辺「はい！」

足元を確認しながら

上手に移動するけど

渡辺翔太「(あれ、なんか

　地面が揺れてる？？)」

足元の自分の影がゆらゆら揺れている

滝沢「渡辺！！危ない！！」

滝沢さんが上を指差す

見上げてみると

照明が鉄管から外れて宙吊りになっていた

渡辺「え、、」

ガチャン

大きな音を立てて照明が落ちてくるのが見えるけど

体が動かない

全部がスローモーションに見えた

渡辺「嘘だろ、、」

小屋入りまでして

こんなとこで、、、

雪襠「渡辺さんっ！！！！！」

走ってくるあいつが見える

渡辺「来んなよっ、、」

ガシャンッ！！！！

滝沢「おい！大丈夫か？！」

渡辺「いったぁ、、」

宮舘「翔太？！大丈夫？！」

渡辺「あぁ、俺は大丈夫、、」

けど、、

　
目黒「雪襠さん？！大丈夫？！」

向井「血ぃ出てんで！！」

雪襠「大丈夫、ちょっと当たっただけだから」

佐久間「誰か血止めるもの持ってきて！」

あいつが俺に飛び込んで

落ちてくる照明から守ってくれた

あいつの肩は服が破けて

目立つ傷を手で押さえていた

滝沢「一旦止めるぞ！

　照明さん！上の灯体もう一回全部チェックして！

　雪襠と、一応渡辺も医務室に！」

佐久間「雪襠さん立てる？」

雪襠「1人で大丈夫ですよ？」

目黒「ううん。どうせ照明のチェックが終わるまで

　俺たちも何もできないから」

向井「付き添うで？」

雪襠「すみません、」

深澤「翔太も行こう？」

渡辺「いや、俺は大丈夫」

宮舘「ダメだよ、頭とか打ってたらどうするの、」

渡辺「わかったよ、」