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【白川side】




梅雨の、いつもより冷たい空気が、鼻の奥をツンとさせた。
どんよりと重い雨雲がまるでわたしのぐちゃぐちゃな心みたいだ。


傘を指して土砂降りの中を歩く。
バタバタと雨が傘を打ちつける音が響いた。


白川「っ、、」


初めて、人を好きになった。
今までの勉強ばかりの生活が嘘みたいに、あの入学式の日から全てが色づいてキラキラして見えた。

朝日くんが同じ教室にいるだけでそわそわして、授業中に寝ている姿や昼休み中校庭ではしゃいでる姿を見ては「今日も学校に来て良かった。」と思える。

朝日くんは周りにいる人を明るく照らしてくれる人。
周りにいる人を元気にしてくれる人だ。

そんな素敵な人が、自分のことを見てくれるかもなんて、何を思い上がっていたんだろう。


こんな、自分事しか考えてないわたしのことなんて、好きになってくれるはずがなかったのに。



白川「っ、、」



涙が溢れて溢れて、止まらなかった。


この気持ちは、いつか、無くなってくれるのだろうか。
辛くて、苦しく、思わなくなる日が、いつか来てくれるんだろうか。

朝日くんの事を「ただのクラスメイト」だと思える日がいつか来てくれるのだろうか、

でも、今は、そんな日が来るなんて、到底思えない。




見覚えのある、あの場所で立ち止まる。


あの日、この場所で、朝日くんに会わなければ、こんなに好きになることも、こんなに苦しくなることもなかったのかもしれない。


でもきっと、やり直せるとしても、わたしはあの朝、この道で、朝日くんとで会う事を選んでしまうんだと思う。

どこまでも、馬鹿で往生際が悪い。

そんな自分が嫌いだ。




朝日「白川さん!!」




少し弱まった雨足の中で、わたしを呼ぶ声がする。
でも、振り向けない、。




朝日「白川さん!ちょっと待って、」



バシャバシャという足音と声がだんだんと近づいてくる。



朝日「あの、ちゃんと、、言っておきたいことがあって、、」



あの日みたいに息を切らして、走ってくる。



朝日「白川さん、?」


白川「わっ、」



突然覗き込んできた朝日くんの顔に驚いて、よろけたわたしを、朝日くんが支えてくれる。



朝日「ごめん、びっくりさせて、大丈夫?」


白川「、、あ、ありがとう、」



傘は差しているものの、足元も肩も雨で濡れている。
学校から走ってきてくれたのかな。
でも、なんで?



朝日「俺さ、ちゃんと言っとかなきゃと、思って、、」

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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます!更新頑張ります! (4月23日 3時) (レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スヒョン | 作成日時:2024年3月7日 0時

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