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『向井side』
メンバーのみんなは、先に椎名のスタジオを出て行った。
俺は一人だけ舞台があって、みんなと一緒に稽古に参加できないから、打ち合わせに参加せずに、もう少しだけ椎名のスタジオにいる事にした。
向井「俺も見習わないかんな、椎名のこと」
『え?後輩なのに?』
向井「先輩でも後輩でも、今の時点で俺にできへんことやってる人は、尊敬の対象やねん。
俺は、家族に心配かけてばっかりやし、」
デビュー前も、デビューしてからも、不安にさせてしまう事ばっかりや。
『、、わたしも、隠してたんですけど、』
向井「ん?」
『お母さんに言われちゃいました。侵入騒ぎがあった事がネットニュースになった時。』
向井「うん、」
『電話かかって来て。
「ジャニーズじゃなきゃだめなの?」「アイドルじゃなきゃだめなの?」って。
泣きそうな声で、苦しそうで、、。不安にさせてしまったって、後悔しました。』
向井「椎名のせいじゃないやん。でも、、、そりゃ、心配よな。お母さんも。」
『はい、、。私には想像もできないけど。自分の子供が、大変な目に遭ってても、駆けつけられないほど遠くにいると、とても不安になるんだと思います。』
向井「そうやんな。、、椎名はなんて言ったん?」
『、、それでも、アイドルになりたいって。素直に言いました。
母には、嘘、つきたくないから。』
向井「そっか、。」
椎名は、大きく息を吸って、溜息のように大きく吐いた。
『、、ほんとは。喜んで欲しかったんですけど、。結局、母にも、父にも、共演者の方やスタッフさんにも迷惑かけて、』
向井「ちゃうで。」
俺は食い気味に言った。
椎名がどれだけ頑張っていたのかも、一人でどれだけのものを背負っていたのかも知ってるから、そんな風に思ってほしくない。
向井「ちゃうよ、椎名。
椎名は、頑張ってんで。ちゃんと頑張れてんで。」
椎名「向井さん、」
向井「俺の母ちゃんも心配症やねん。だから、取り繕おうとするけど、無理やで。家族やもん。特に母ちゃんは、子供のことよく見てる。取り繕って平気そうにしてるのもすぐ見破るで。
だから、しんどい時はしんどいって言って、応援して欲しい時はちゃんとそう言えばいい。
そしたら、椎名のお母さんも、分かってくれるよ。
それに、椎名には、俺らがいるしな。」
『向井さん、、』
向井「大丈夫やで。
椎名が思ってる以上に、椎名の味方は多いから。」
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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます!更新頑張ります! (4月23日 3時) (レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スヒョン | 作成日時:2024年3月7日 0時