IDOL_4

「母友」 ページ48

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『ラウールside』



舞台が始まってからしばらくすると、テレビ局のスタッフさんからも椎名の名前が出るようになって来ていた。

容姿も実力も申し分ない事に加えて、アクションや殺陣まで出来てしまう若手の女優さんはそうそういないらしく、ドラマや映画制作のスタッフさんがこぞって椎名の出演オファーを競ってるという噂まであった。

知名度も、好感度もぐんぐん上がって行くのは嬉しいことではあるんだけど、いまだに、ネットの中での椎名に向けられる声は厳しい。

でも、最後の東京公演が始まって事務所に戻って来た椎名はそれどころじゃなく忙しそうで、案外ケロッとしていて拍子抜けした。

休演日で、久しぶりにスタジオで踊るらしく、稽古の休憩時間に「椎名に会いに行く」と言ったらメンバー全員がついて来た。




『人の肩を肘置きにするのやめてもらっていい？』


ラウール「ごめん、ちょうど良すぎて」


『うん、やめてはくれないのね、』


ラウール「絡めるうちに絡んだこうと思って」


『え、なにそれ、』


目黒「こいつ椎名に会えないのが相当寂しかったんだってw」


佐久間「可愛かったよなぁ、」


渡辺「「椎名も頑張ってるから、俺も頑張る」って」



翔太くんがわざとらしく

オーバーに俺の真似をしながら言ってくる



ラウール「ちょっとー！馬鹿にしてるでしょー！」


深澤「寂しかったんだよなー？w」


岩本「素直になれよーw」


『寂しかったの？』



椎名が顔を覗き込ませて聞いてくる

なんか俺ばっかみたいでやだな、



ラウール「べ、別に、、」


『そっか、。わたしはめっちゃ寂しかったけどな。学校も行けてなかったし。2ヶ月くらい会ってないもん。』


ラウール「え、」



さらっとそういうこと言うんだ。
あざとさがないからこそ、本心なんだってわかるし
「別に」と言ったことを少し反省した。



ラウール「いやっ、、俺も、、だけど、」


向井「なんやろな、、かわいいなw」


宮舘「二人とも素直でよろしい、」


佐久間「俺らも寂しかったぞぉ！」


阿部「あと何公演？」


『28です、』


深澤「ラストスパートだね」


『皆さんにも、観て欲しかったです、、』


SnowMan「「あ、、うん」」



観に行ったことは椎名には言ってない。
俺たちだけの内緒だと思う。



渡辺「てか、大丈夫だったの？あれ、」



そう。名古屋公演最終日、チケットを持たない一般人が、開演前の劇場に侵入したというネットニュースが先日話題になったのだ。

後日、それが椎名のアンチだと発覚した。

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