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『深澤side』
360度全てが舞台。その中心に客席があり、その客席が回転することで場面が転換して行く。
冒頭、天魔王が誕生する圧巻の回想シーンの後、ステージいっぱいの紗幕にプロジェクションマッピングを使ったオープニングが流れる。
紗幕が開くと、髑髏党の家来から村人が逃げ惑う中、メインキャストの誰よりも早く、椎名が舞台に登場する。
助けに入った小栗旬さん演じる捨之介と他の主要キャストが次々と登場し、舞台を彩って行く。
舞台の上には俺たちの知っている椎名はいなかった。
椎名の姿形をした沙霧がいた。
確かにそこに生きてた。
むかしから、舞台ができなければ本当の俳優とは言わないと言われている。それは、殺陣、歌、声量、表現力、アドリブ力、演出家の意図を汲み取る理解力、客席を巻き込む魅力。上げ出したらキリがないけど、それを出来る役者が、本物の役者だと言われているから。
だから、ジャニーズも最初は舞台の所作や舞台の芝居を叩き込まれる。大学や専門学校も、演劇科や芸能科の中のカリキュラムで映像芝居の項目があっても、根底にあるのは舞台芝居だ。
映像芝居から始まって、映像芝居しかやったことない役者は、舞台には立ちたがらない。
カメラに残る一回の本番をいろんな角度から何度も撮る映像とは違い、舞台は何ヶ月も前から稽古を始め、何十回何百回という本番を何度もこなす。
体力的にも、スケジュール的にも、圧倒的に大変だ。それに、舞台は昔の習慣が根強く残っているから、厳しい言葉や指導が飛び交う。
精神的にも追い込まれる。だけどその分、たくさんのことを吸収できるのが舞台だ。
だから、俺たちも舞台が好きだ。
同じ空間にいるこの感じが。
展開して行くたびに、肌に風が吹きつけて、空気が変わって行く感じが。
閉鎖され、没入した世界からいい意味で逃れられないこの場所が好きだ。
沙霧を演じる椎名は、まるで別人だった。
どんな役を演じてもその人の癖って出るものだけど、本当は違う人間が演じてるのではないかと思うほど。でも、声の端々に椎名がちゃんといる。
どれだけの努力があったんだろう、。
今だって、世間の風当たりは強いし、今回のことも、裏で金やらコネやら動いてるんじゃって噂が流れてたし、そんな中で体もきついのに毎日毎日稽古して、学校もちゃんと行って、こうやって舞台に立ってる。あいつはすごい。
終演しても鳥肌が立つのを感じならが思う。
その会場にいるどれだけの人が、椎名のことを知っているかはわからないけど、カーテンコール、椎名に送られた拍手は一際大きかった。
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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます！更新頑張ります！ (4月23日 3時) (
レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年3月7日 0時
