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『目黒side』
岩本「ねぇ、椎名。たしかに俺たち、最初は椎名に対していいイメージだけじゃ無かったけど、今は同じ事務所の人間として、凄い刺激をもらってる。
身近に居られることが嬉しい。
椎名は、まだ周りが敵ばっかに見えるかもだけど、少なくとも俺たちは敵じゃないよ。」
岩本くんは諭すように椎名に言った。
岩本「椎名が頑張ってるの、ちゃんと俺たち見てるよ。」
『、、、っ』
頭を思い切り下げて、握っていた拳をさらに強く握った。
岩本「毎日毎日、何時間もスタジオ篭って練習して、YouTubeの企画考えて、セリフ覚えて、撮影行って、学校行って、課題して、曲作って、って。心配になるぐらい頑張ってる。分かってるよ。
でもね、いくら強い人でも、心で抱えられる苦しさって、限度があると思うんだよ。
もしかしたら、自分の弱さを目の当たりにして、「こんなはずじゃ無かったのに」とか「もっと強くならなくちゃ」って思ってるかもしれないけど、そんなこと、思わなくていいんだよ？椎名、」
『っでも私、全然、弱いからっ、』
岩本「違うよ、弱いんじゃないよ。人のせいにしようとしたり、自分や仕事から目を背けたり逃げたりしてないだけだよ。それは弱いとは言わない。強くなきゃ出来ない事だよ。」
『、、、』
岩本「こっち向いて、椎名」
岩本くんは両手の指先で椎名の頬をくいっとあげる。
椎名は目や鼻を真っ赤にして、下唇を噛んでまた泣き出しそうなのをグッと堪えていた。
岩本「一人で立ってるように見える人達はね、そう見えてるだけだよ。強く見える人でも、強く見せてるだけだよ。人間一人じゃ生きられないように、この世界は一人になれば心がもたない。だから支え合うんだよ。
一人になろうとしないで。
一人で抱え込もうとしないで。
世間はそう仕向けるかもしれないし、椎名自身もそうしなきゃいけなって思ってるかもしれないけど、ひとりぼっちだなんて思っちゃダメだよ。
一人にさせないよ。
今は表立って椎名を守ることは難しいけど、俺たちは椎名の味方だからね。
頼っていいし、甘えていいし、しんどい時はしんどいって言っていいよ。
今ここにいる奴らは、そんな事で椎名を責めたりしないから。分かった？」
椎名はこくんと頷いた。
その拍子にまた流れた涙を岩本くんが親指で優しく殴って、「よしよし」と言いながら椎名の頭をわしゃっと撫でた。
大人っぽく見えるけど椎名はまだ15歳。
強そうに見えるけど、繊細な子だ。
今後椎名がどんな大人になるのかは、周りの大人次第なんだと改めて感じた。
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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます！更新頑張ります！ (4月23日 3時) (
レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年3月7日 0時
