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『ラウールside』
突然SnowManに加入することになって、まだその事実に僕自身も追いついていない時、ちょうど受験の真っ只中だった。
SnowManはすごく優しい人たちばかりだったけど、本当は心の中でどう思ってるんだろうって信じきれない自分がいて、受験だけでも日々プレッシャーなのに、周りの大人の目や、SNSの声に精神を削られて、どんどん自分が消えてなくなりそうな気がした。
二重三重の環境の変化は
マジでキツくて、
情緒不安定になる。
一日に何度も泣いていた。
自分がそういう
メンタルの持ち主だと
思ってもみなかったから
びっくりした。
もっと、強い人間だと思ってた。
どこからそんな自信が湧いていたのかは分からないけど、そこで嫌と言うほど分かった事がある。
この業界、何でも一人で背負い込んで生きていくのは無理だと言うことだ。
一人で立って強そうに見える人でも、たくさんの人に支えられている。ファンの人もそうだけど、もっと近い距離で背中を押して、悩みを聞いて、時には愚痴を言ったり、励ましあったり、弱音を吐いたり、本気で喧嘩したり、心置きなく泣いても隣にいてくれる存在が、必要不可欠なんだ。
椎名は、それを頑なに作ろうとしなかったし、僕に対しても少しの弱音を吐くくらいで、結局自分で何とかしようとするところがあった。
僕はそれが寂しかったし、心配だった。
廊下で泣く僕たち二人をメンバーが椎名のスタジオの中に入れた。
何故か、康二くん鼻をすする音が聞こえた。めめも鼻が赤かった。
スタジオの椅子に座ると、阿部ちゃんが水を手渡してくれた。
スタジオの中は、椎名の荷物があったけど、ほとんどが機材だった。それがスタジオのすみ隅っこに置かれていて、毎晩ここで1人で過ごしていると思うと、それは僕じゃないのに寂しさが襲って来る。
僕が誰かを助けられるほどの人間じゃないのは分かってるけど、メンバーがしてくれたみたいに、僕も、椎名のそういう存在になれたらって、、。
岩本「落ち着いたか?」
ラウール「うん、、ごめん、みんな。」
阿部「椎名も、大丈夫??」
『はい、、』
岩本「まぁ、喧嘩の内容はなんとなく分かった。2人の事だから、口出したくないけどさ。お互い言い過ぎたんだから、まずは謝りな?」
ラウール「、、、っごめん、椎名、」
『、、、。』
俯いたまま膝の上でぎゅっと拳を握って、首をブンブンと横に振った。
その時、めめのスマホが鳴って、慌てて外に出ていった。
『ごめん、ラウ、』
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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます!更新頑張ります! (4月23日 3時) (レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スヒョン | 作成日時:2024年3月7日 0時