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『You side』
スタジオに篭るのが億劫になってきて、部屋の外に出る。あまりうろちょろして人に会うのが嫌だったけど、なんだか今日は人がいないんじゃないかというほど静かだった。
事務所はかなり広い。ぼーっとしてるとすぐ迷子になりそうだ。
6階に行くと、比較的大きなスタジオがあって、中から音楽が聞こえて来ていた。廊下の靴箱にはたくさんの靴が入っていて、ジュニアの先輩達の稽古場だとわかる。
大勢でレッスンするって、どんな感じなんだろう。ライバルとか、友達とか、出来たりするのかな。
一瞬、グループとしてデビュー目指していた時のことを思い出した。
「やりたいなら一人でやって。」
思っていたより、あの時の言葉はわたしの心に深く残っていたみたいだった。
友達になれると、チームに、グループになれると、ライバルや戦友と呼ばれるような青春ドラマに出てくるような関係が築けると思っていたわたしが、甘かったんだ。
稽古場のドア越しに、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
ここにお前の居場所はないと言われている気がして、バツが悪くなってスタジオに戻ろうとした時、稽古場重い防音扉の開く音が聞こえて、体を固まらせた。
『お、お疲れ様です、』
自分と同い年くらいの男の子3人。
とにかく、挨拶をしなきゃと頭を下げる。
「なにそれ、ジャニーズの一員になったつもりでいるんだ、女のくせに。」
「何出て来てんの、地下スタジオに閉じこもってろよ」
「せっかく楽しい稽古の雰囲気がぶち壊しだよ」
女のくせに。と言われるのは良くある。内心腹が立つけどジュニアの人達がわたしをよく思ってないのは知っている。なら、早く退散した方がいいんだろう。
『失礼しました』そう言って、その場を離れようとする。
「ねぇ、知ってる？あんたのせいで、俺らまで変な目で見られてんの、ほんと迷惑なんだよね」
「お前のせいで俺らのデビューの機会が無くなってんの分かる？」
出てこなければよかった、と後悔した。
彼らの言っていることは事実だし、ここで何かを言い返したとして、わたしが居づらくなるだけなら何も言わない方がいい。自分で自分の首を絞める事はない。
『すみません』
それだけ言って、逃げるように階段へ向かう。
「何も言い返さないのかよ」
後ろからそう言い捨てる声が聞こえる。
言い返しても事態が悪化するだけだから黙ってるだけだ。
言えばいいってものじゃないし。
黙って耐えて、その場が収まるなら、そのほうが絶対いい。
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スヒョン(プロフ) - ゆみーるさん» ゆみーるさん、ありがとうございます！更新頑張ります！ (4月23日 3時) (
レス) @page49 id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみーる - 続き楽しみにしてます! (4月20日 23時) (レス) @page46 id: 9521a509ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年3月7日 0時
