朧の都に棲む妖-4- (ページ6)

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目の前が真っ白な光に包まれ、思わず目を瞑った。

少女「助けてっ、、」

女の子の声に、再び目を開けると、目の前は信じられない光景が広がっていた。

逃げ惑う人々。

炎に包まれた家々とその先に見える山まで燃えている。

街全体を空から見ているような走馬灯が脳裏を駆け巡って、気づけばわたしは、森の中にある大きな鳥居の下に立っていた。

『ここ、、何処なの？』

なんだか、見たことあるような気もする。
でも、全然思い出せない。

さっきまで雪乃屋に居たはずなのに、一体何が起こってるのか、頭が追いつかない。

少女「助けてぇ、、」

女の子の声がまた聞こえてきた。
辺りを見渡しても、暗くてよくわからない。

『何処にいるの？』

恐る恐る声を出してみる。

視界の端で何かが葉を揺らす音が聞こえて振り返ると、小さな女の子が木の影から出てくる。
五つもいかないほどの背丈で、髪は肩の位置でバッサリ切られていた。
着物は破れて、裸足で、顔や腕や足は傷付いていた。

『大丈夫？、一人なの？』

駆け寄って声をかける。

少女「ひとりできたの」

『どうして、、お母さんやお父さんは？』

少女「、、にぃにが、いるの」

『どこに？、』

少女「、、、」

女の子は静かに指を指した。

燃え盛る街の方を。

『あそこに、、。ねぇ、名前は？なんて言うの？』

知詠「知詠。」

『知詠、教えてくれる？一体ここで何が起きてるの？』

知詠「あのね、助けてほしいの、」

『助ける、？』

もしかして、この街を、ってことなの？
わたし一人じゃ、きっと何もできない。それに、今の状況すら、わたしにはわからないのに、。

知詠「違うの。にぃにを助けて、」

『え？』

知詠「こっち」

『えっ、ちょっと、』

知詠はわたしの手を引いて歩き出した。

『待って、知詠、その怪我じゃ、』

知詠「大丈夫。痛くないの。」

『え、？そんなはず、』

握られる手からは、体温を感じられなかった。こんなに寒い中、ここで一人、何をしていたんだろう。

どうやって一人でここまで、？

知詠「待ってたの。お姉ちゃんが来るの。」

『え？わたしを？』

知詠「お姉ちゃんが助けるの。じゃないと、全部無かったことになるから。全部消えてしまうから。」

『え、？どう言うこと？』

待って。

おぼつかなかった言葉が、いつのまにか大人が話すように喋っている。

『ねぇ、知詠。あなた、何者？』