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岩本「おはよう」
振り向くと岩本さんと深澤さんが立っている。二人して袂に腕を入れていた。
『おはようございます』
お辞儀をすると、岩本さんはわざとらしくお辞儀で返してくれる。初めて会った時に比べたら、幾分、柔らかな雰囲気になった気がする。
深澤「そういや朝から騒いでたけど、なんだったの？」
『聞こえてましたか？すみません、』
深澤「翔太の声がね、聞こえたから」
岩本「珍しく早起きだったな今日は」
深澤「ぁあ、たしかに」
『珍しいんですか？』
岩本「妖憑きになってからね、朝苦手なんだよな、」
深澤「って言うより、翔太は雪乃屋で働いてるわけじゃないから、早起きしなくてもいいって言うのもあるけどね」
岩本「あ、そうか、それだな。」
深澤「でも朝からあんなに騒いでるのは、ほんと久しぶりかもね」
岩本「うるさかったな」
広間に向けて足を運ぶ二人の後ろをついて行く。
深澤「なんであんなに騒いでたの？」
『えっと、、ちょっと、色々とありまして、』
岩本「色々ねぇ」
深澤「その色々が気になるんだけど」
『そう、ですよね、』
阿部「あれ、みんな思ったより早かったね」
広間から阿部さんが顔を出した。
深澤「おう、おはよう。」
阿部「運ぶの手伝って」
岩本「わかった」
深澤「なぁ、阿部」
阿部「ん？」
深澤「玉藻見てない？今朝から見てないんだけど」
阿部「知らないけど、そういえば、上皇も見てないなぁ」
岩本「へぇ、阿部にベッタリくっ付いてるのに、珍しいね」
阿部「うーん、」
深澤「Aは？見てない？」
『そういえば、そうですね。マタタビも玉藻も、いつもなら部屋に居てくれるのに居ませんでした』
岩本「まぁ、そのうちひょっこり顔出すさ」
深澤「だな。手伝うよ」
阿部「ありがとう」
『あ、わたしも、』
阿部「座ってな？まだ霊力戻り切ってないでしょ」
『でも、』
深澤「大丈夫、俺らいるしすぐ終わっちゃうから」
岩本「あ、そうだ、佐久間起こして来てくれる？多分まだ寝てるから」
『わかりました！』
そういえば、朝は苦手で夜型って言っていたっけ。
わたしはくるりと振り返って、来た道を戻って、途中で左に曲がり、襖の前で呼びかける。
『大介さん、起きてますか？朝食の時間です』
声をかけても返事がない。まだ寝ているのかな、
『は、入りますね、』
佐久間「何してんの」
『ぅわっ、』
しっかりと着物に着替えて、ぱっちり開いた目の大介さんが横に立っていた。
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年3月2日 22時
