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陽菜「安倍家の狙いは、朱雛院家の血を引く女の子を産ませること。」
目黒「なんだよそれ、。安倍家の狙いが本当そうなら尚更お前はここにいちゃいけないだろ。」
陽菜「ううん。わたしがいなくなったら、安倍家の目的も探れないし、その狙いが蓮達に知られたって分かっちゃう。そうなったら、蓮達も朧も危ない。だから、わたしはここに残らないと。」
目黒「そんな、、」
陽菜「蓮、みんなを連れて朧へ行って。わたしは自分の役目を全うする。」
母上は真面目芯が強い人だ。一度こうと決めたら絶対に曲げないし妥協しない。でも父上と同じで、人を思いやる優しさが溢れる人だった。
わたしはそんな母上が大好きだった。
陽菜「行って、みんなを連れて朧へ。」
目黒「、、いつか、迎えに行くから、、」
目黒さんは苦しそうにそう言った。母上はそんな目黒さんに微笑み返したけど、何も言わなかった。
村上「蓮、もう行かないと、」
岩本「あいつらが来る、」
目黒「分かってる。」
向井「全員おんな？あれ、亮平と大介んとこのちび達は？」
阿部「龍は道枝達と先に行かせてる」
渡辺「佐久間んとこは？」
佐久間「っ、、」
森の方からゾロゾロと降りてきた真都さんたちは、大介さんの周りをキョロキョロと見回しながら言うけど、瞬間何かを察したように静かになる。
みんなの視線が阿部さんに集まると、阿部さんは目を伏せながら首を横に張った。
『大介さん、、』
宮舘「行こう」
宮舘さんが大介さんの肩に手を置いてそう言うと、大介さんは眉間に皺を寄せながら「あぁ」と小さく声を漏らした。
村上「陽菜も行くよ」
目黒「、、陽菜はいけない。陰陽師の呪印のせいで出られない。」
村上「え、、」
陽菜「わたしは大丈夫。それより早く行って。」
村上「でも、もし俺たちとの繋がりがばれたら、」
陽菜「こんな子供が関わってるなんて思わないよ。それに、朱雛院家の人が守ってくれるから、心配しないで。」
真都さんと目黒さんは顔を見合わせて、森の中へ入って行った。他の人達もそれに続いて森の奥へ消えて行く。
『母上と目黒さん達は、面識があった、？』
知詠「面識があったのはあの二人だけみたい。」
『でも、そんなこと一言も、、』
知詠「記憶が抜け落ちてるの。あの二人は自分の体に妖を取り入れてる状態。人間の頃の記憶や人間としての感情の大切なところから崩れ落ちて忘れてしまう。」
『でも、それって、、』
思い出したくない記憶や、忘れたい記憶だけが、残ってしまうんじゃ、、
知詠「追いかけるよ」
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年3月2日 22時
