姫枠なんて聞いてないっ！ｰ4ｰ

「登校日の白雪事件　last」 ページ48

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『深澤side』



翌日の朝、4時を少し過ぎた頃

佐久間から電話が来た



深澤「珍しい」



電話に出てみると外にいる様で

虫の鳴き声が聞こえる



佐久間「もしもし？ふっか？」


深澤「おん、どうした？」


佐久間「伊藤、家族ごと夜逃げしたぞ。」


深澤「は？」


佐久間「昨日帰ったから家張ってたんだけど、

　 遅かったみたい。」


深澤「渡航した可能性は？」


佐久間「それが、全然掴めないんだよ。

　 こっちで掴んだ情報データで送るから

　 ふっかも調べてくれない？」


深澤「わかった。

　 一応阿部にも送っといて、

　 説明も諸々頼んでいい？」


佐久間「おっけ」


深澤「下手したら照にも動いてもらわないとだな、、」


佐久間「判断はふっかに任せる。」


深澤「ん、わかった。」



電話を切って佐久間から送られていたデータを

一つ一つ見て調べるけど



深澤「おかしいなぁ、、

　 なんか、重要なところが

　 すっぽり抜けてんだよなぁ、、」




しばらく調べても何も出てこなかった

渡航履歴も、それにつながる情報も




深澤「はぁ、、なんなんだいったい、、」



頭を抱えていると

今度は阿部ちゃんから電話がかかってくる



深澤「もしもし、ごめん、朝っぱらから」


阿部「そんなことより、

　 伊藤の親が経営してた会社

　 やばいことに巻き込まれてるんじゃない？」



いつもの阿部ちゃんの声ではなく

ぐっと低く、受話器のそばで落ちる様な声


只事ではないと

直感的に思った



深澤「え、なに？」


阿部「伊藤の親の会社って

　 そんなに大きくないよね？」


深澤「中堅会社のはずだけど？」


阿部「だから大事にはなってないけど

　 昨日の夜、突然吸収合併したって事で

　 オフィスは間抜けの殻みたいだよ。」


深澤「吸収合併？！

　 相手の会社ってどこ？」


阿部「有名でも大手でもない会社。

　 気になったから調べてみたんだけどさ。」


深澤「なに？」


阿部「存在しない会社なんだよ。」


深澤「架空の会社ってこと？」


阿部「そう。」


深澤「、、、なんか嫌な感じだよね、」


阿部「多分、この手のやつは

　 調べるだけ無駄だと思うよ。


　 普通なら。」


深澤「ははっw 普通ならねぇ、

　 俺ら普通じゃないからw」


阿部「調べは進めるけど

　 大事にすると危ないから

　 生徒会だけの機密って事でいいよね？」


深澤「うん、そうだね」

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