IDOL_3 (ページ40)

今日:124 hit、昨日:80 hit、合計:108,080 hit

. ページ40

ー

ｻｲﾓﾝ「他の曲はある？」

『他の曲、、』

ｻｲﾓﾝ「聞いてみたいんだ、他の曲も」

『いくつか候補はあります、』

ｻｲﾓﾝ「歌いながら、ダンスできる？」

『え、、』

ｻｲﾓﾝ「見てみたいんだけれど、可能かな？」

サイモンの提案に、審査員も「見てみたいわね」と声を上げた。観客もそれに同調するように歓声で返した。

『あー、、ヘッドマイクが必要です、』

ｻｲﾓﾝ「もちろん、用意するよ」

サイモンが嬉しそうにそう言うと、AKIRAは『OK』と緊張気味に言う。まだそのパフォーマンスを見ていないのに「きっと素晴らしい」と思わずにはいられなかった。

スタッフがステージに上がり、AKIRAにヘッドマイクをセットして抱えていたエレキギターを代わりに受け取った。

『stronger』

ｿﾌｨｱ「わお、大好きな曲だわ」

ｻｲﾓﾝ「また緊張してるね」

『そう、、。大勢の前でパフォーマンスを披露するのは、今日が初めてで。』

ﾊｳｲ「そうなの？！」

『はい。ここは、年齢も性別も人種も関係ない。自分の好きなことを好きだと思い切り叫べる場所。だからここに立つのが、、、夢だった。』

ｻｲﾓﾝ「実現した」

サイモンはウインクをしながらAKIRAにそう言うと。AKIRAは嬉しそうに笑った。

『本当に夢見たい。機会を与えてくださって、ありがとう。』

ﾊｳｲ「ちょっと待ってくれ、まだ僕は君のダンスパフォーマンスを見たことがないぞ。
もうすでに魅了されているがもっと魅せてくれるんだろう？」

『そうだと、いいです。』

見た目とは裏腹に日本人らしい謙虚な受け答えにさらに好感が持てた。

ｻｲﾓﾝ「君なら絶対に大丈夫。思い切りやって。」

『ありがとう』

AKIRAが位置に着くと、照明が分かり、客席から拍手が起こる。曲が始まると先ほどまでとは別人のようなAKIRAのパフォーマンスにすでに席を立っている観覧者がいる。