ー【America's Got Talent】 ページ37
ー※台詞全て英語の設定です
ステージの袖から栗色の長い髪を下ろして、エレキギターを持って登場した女の子に、客席から薄い拍手が起こった。
センターにはスタンドマイク。女の子は迷わずそこに向かう。
白い肌に白いシャツにジーンズと淡い色のジャケットというシンプルな服装に赤いボディのエレキギターが映えている。その姿だけでも「なにかやってくれそうだ」という期待の交じった眼差しが向けられていた。
ｿﾌｨｱ「こんにちは」
『こんにちは』
ｿﾌｨｱ「どこから来たの？」
『日本から』
「日本」と言うワードを聞いて、また会場から拍手と歓声が起こった。
ｿﾌｨｱ「名前と歳を教えてくれる？」
『椎名A、15歳、』
ｿﾌｨｱ「緊張してる？」
『とっても』
女の子の整った顔は強張っていた。
すると客席から「AKIRA！」と歓声を飛ばす声が聞こえて、女の子も聞こえた方に向かって笑顔を返す。
ｿﾌｨｱ「わおw、あなたのファンがいるみたいw」
ﾊｲﾃﾞｨ「椎名A、」
『えぇ、』
ﾊｲﾃﾞｨ「あきら、、私が知っているAKIRAかしら？」
『あぁ、、どうだろう、』
ﾊｲﾃﾞｨ「YouTubeでダンスを踊ってた？」
『えぇ、はい、踊ってた。AKIRAという名前で、』
ﾊｲﾃﾞｨ「やっぱり、！」
審査員や客席から大きなリアクションと歓声が上がる。
ｻｲﾓﾝ「僕も見たことがあるよ」
『ありがとう』
ﾊｳｲ「僕はないな。有名なの？」
ｿﾌｨｱ「きっとパフォーマンスを見たら分かるわ」
ｻｲﾓﾝ「でも今日はダンスじゃないみたいだね？」
『はい、今日は歌を。』
ﾊｲﾃﾞｨ「何を歌ってくれるのかしら」
『set it all freeを』
ｿﾌｨｱ「わかったわ。検討を祈ってる。」
『ありがとう』
ハイディが両手でグッドポーズをしてAKIRAに向けると、AKIRAも同じポーズをして笑顔で返した。
ステージの照明が落ちて、AKIRAの後ろから赤いライトが照らされてシルエットが浮かび上がる。
エレキギターを首にかけて、スタッフに合図を送ると仁王立ちのまま顔を伏せた。
音響からドラムの音がドン、ドン、と響くと、AKIRAはそれに合わせて右足を踏む。
客席からもドラムの音に合わせた手拍子や足を踏む音が聞こえてきた。
既に会場が、AKIRAの魅力に吸い寄せられるように、体を前のめりにして見ていた。
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2024年1月16日 23時
