IDOL_3 (ページ31)

今日:155 hit、昨日:136 hit、合計:108,247 hit

. ページ31

ー
『渡辺side』

スタジオから聞こえて来たのは、どこから聞いたことある洋楽だった。歌詞は全て英語で、内容は全くわからないはずなのに、心が奮い立つ歌声に、メンバー全員が吸い寄せられるようにスタジオの前まで来た。

楽器もセッティングされていて、演奏も自分で、演奏も自分でレコーディングしたんだとわかる。

ラウール「なんか、、すごい、、」

ラウールが感情をぐっと抑えたような声で言った。

全員が聞き入っていた。
オーディションの動画の時は、もっと初々しさがあったと言うか、少しぎこちなさもあったけど。
歌だけ聴いていても、プロ並みだ。

ジャニーズじゃなかったら、とっくに評価されてるだろうに。

曲が終わって、みんなが何も言わずにシャワー室に行く。

その時、照が一言、

岩本「負けてられないな」

と言った。

シャワーを浴びながらも、AKIRAの歌声が頭から離れなかった。どうやったら、あんな細い体からあんな力強い歌声が出てくるんだろうか。

こんど、機会があったら、聴いてみようかな。

シャワーから上がると、外からラウールと、目当ての人の話し声が聞こえる。

ラウール「歌聞いた！凄かった！めっちゃ、よかった！」

『褒めすぎだよ、、でもありがとう、』

ラウール「あ、そうだ！」

『どうしたの？』

ラウール「ね、椎名って、何が好き？食べ物」

『食べ物、、』

ラウール「うん、好き嫌いあるかなーって、」

『ない、、かな、、しいて言うならお寿司が好き、あとお肉も好き。』

ラウール「苦手なものは？」

『んー、、ないかな、たぶん。どうして？』

ラウール「ん？なんとなく！」

『そっかw』

間近で、AKIRAの笑顔を初めて見た気がする。

ほんとに、高校生の女の子なんだと改めて実感するけど、こっちまで気分が明るくなるような笑顔に顔が緩んでしまう。

宮舘「笑ってる、、」

岩本「あんな笑うんだな」

目黒「普段とギャップあるね」

阿部「年相応って感じするね」

佐久間「なんかキラキラしてんなあの空間」

向井「青春やわ〜」

渡辺「ちゃんと高校生なんだよなー」

AKIRAの前だと、ラウールも俺らといる時とはまたちがう顔をしている気がする。

AKIRAと同じ事務所で仲良いのは、多分俺たちぐらいなんだと思うけど、一人で立ち向かおうとしてるAKIRAの力になりたいと思うのも、AKIRAの魅力なんだろうな。