IDOL_3 (ページ26)

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『You side』

岩本「おい、大丈夫か？！」

声がして、瞑りかけていた目を開ける。

途端に荒い呼吸と疲労感を実感して、睡魔に襲われたいなのではなく、気絶しそうななっていたんだと気付いた。

岩本「っしっかりしろ！！」

岩本さんがわたしの体を揺らしながら、頬に手を当てて顔を近づけてそう叫んだ。

でも、それに応えるだけの力が残っていない。

阿部「照！どうしたの？！」

岩本「阿部！AKIRAが！！過呼吸か貧血か、、っとにかく、意識が朦朧としてんだっ！」

阿部「え？！」

どたどたといくつかの足音が近付いて来る。

ラウール「椎名さんっ！！」

ラウールくんの声が聞こえて、安心してしまったのか、そのままふっと力が抜けて、意識を手放した。

気が付いたら、見覚えのない天井が見えた。

微かに話し声が聞こえる。

阿部「椎名さん？」

阿部さんが顔を覗かせた。

目黒「ラウ！AKIRAが起きた！」

ラウール「椎名さん、大丈夫、？」

ラウールくんと目黒さんも阿部さんの隣から顔を覗かせた。

『、、あ、』

岩本「AKIRA、大丈夫か？」

『いっ、岩本さん、、』

掠れた声で答える。

『、、わたし、』

岩本「倒れてんの見つけて。ここ、病院。救急車呼んだ。」

救急車、、大事になってしまった、。
迷惑をかけてしまった、。

山崎「椎名ちゃん！」

阿部さん達を押し退けて、あっちゃんが顔を覗かせる。

山崎「何してんのよ、！ほんとにっ、心配したんだから！！」

涙声で言うあっちゃんの声に、申し訳なさが増した。
迷惑かけて、心配かけて、。
最低だ、何やってるんだわたしは、、。

情けない。

情けなくて、あまりに愚かで。

心底自分が嫌いだ。

ラウール「気分は？気持ち悪くない？」

佐久間「今お医者さん呼んでるから、ちょっと待っててね、」

渡辺「俺滝沢くんに連絡入れて来るわ」

深澤「おう、頼むわ」

宮舘「どっか痛いところある？」

心配してくれる優しい声が、ありがたいけど、。

ダメだ。

泣きそうだ、。

『っ、、ごめん、、なさいっ、、』

泣きたくないのに、涙が溢れて止まらなかった。

動かない体と、ボロボロの心が、限界だと叫んでいた。
「大丈夫」と答えられるほど、わたしは強くなかった。

弱い。情けない。

『ごめんなさいっ、、』

自分で選んだ道。そのはずなのに。

前も後ろも崖っぷちだ。

前に、進むのが、、怖い。