IDOL_3 (ページ17)

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「モットー」ページ17

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『佐久間side』

SnowManのみんなで、あの日、AKIRAが YouTubeの生配信で全てを話したあの日に、
「AKIRAがあぁ言ってるなら、なるべく関わらないようにした方がいいね」なんて話しながらも、俺達はAKIRAの事が気になってしかたなかった。

俺たちだって芸能界にいる以上、アンチや批判的な言葉は何度も何度も目にしてきたし、直接言われたこともある。
未来へ抱いていた希望や、グループとしてデビューする未来を段々と削られて行くような言葉に、俺自身も散々傷付いたし、メンバーもかなりやられていた事もある。

それがまだ15歳の女の子が一人で抱えているのだ。

「周りが敵ばっかりに思える感覚、よく分かる。」

ラウールの言葉にメンバー全員が自分の経験と照らし合わせた。芸能界だから仕方ないって気持ちと、なんとか支えてあげられないかと言う気持ちとが複雑に絡み合っていて、俺は気になりながらも別に何もする事なく、今日も事務所内にある稽古場に足を運んだ。

まだメンバーは集まってなくて、飲み物でも買いに行こうかと2階に降りて、休憩室の自販機で飲み物を買おうと財布を出していた時、廊下の方から話し声が聞こえた。

「今日も来てたよ、スタジオ。あんな毎日やって何になるのかね」

「正直やりづらいよなー。」

「でも顔は可愛いよな。弱ってるところに漬け込んだらころっと落ちたりして。」

「やめろよ、15歳だぞ、犯罪だってw」

「今からでも唾つけとくぐらいはいいだろw」

角を曲がってきて入り口で俺と目が合うと、その男達は気まずそうに会釈して足早に通り過ぎていった。
見た事ない顔だった。
下衆な事考える奴もいるもんだと、胸糞悪くなって、自販機のボタンを押す力が少し強くなる。

ガタンと、飲み物が落ちてきて、手に取って気付く。フルーツジュースを買おうとしたのに、コーヒーを押してしまったみたいで、さらにストレスが溜まった。

『あっ、』

聞き覚えのある声に振り返ると、入り口で立ち尽くしているAKIRAがいた。

『おは、、おっ、えっと、』

「おはようございます」か「お疲れ様です」か、迷ってるんだと一瞬でわかる、

『おっ、さっ、、、すぅい、』

テンパってるのか、訳のわからない単語が出てきて、思わず吹いてしまった。

佐久間「ははっww」

『すみません、』

佐久間「とりあえず、お疲れ様ですって言っとけば間違い無いと思うよw」

AKIRAは、苦笑いをしながら「はい」と返事をした。

あれ、もしかして、さっきのやつらの会話、聞いてたんじゃ無いだろうか。
AKIRAの泳ぐ目を見て、そう思った。