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『You side』




山崎「それが、伝わってきたの。だから目が離せなかった。この子は心から楽しいと思える事をやってるんだって。表情は見えなくても伝わってくるのよ。画面越しでも、そう感じた。それってすごい事なの。」


『、、うん。』



と、返事はしたもののしっくり来てなかった。
凄いことって、、何がなんだろうか。
わたしはわたしの好きな事をただ世間に一方的に垂れ流していただけなのに。



山崎「つまりね、芸能界で必要なのは、容姿よりも実力、実力よりも、人間性ってこと。

結局、人ってそうなの。
アイドルなら、尚更そう。

本来その人が持っている魅力。」



あっちゃんは、わたしの前に立つと、ゆっくり話し始めた。



山崎「ファンっていうのはね、
  思っている以上に推しのことをよく見てるものなの。

  それを見抜いて、
  その人の歩いてきた道のりや
  これから歩く道のりも含めて、
  その人自身を愛してくれる人がファンなのよ。」



『でも、、わたしの、人間としての魅力を、愛してもらえる自信が、ないの、、。』




両親の大人に以外に、初めて、弱音を吐いたかもしれない。「自信がない」なんて、口が裂けても言ってはいけないと、思っていた。



山崎「大丈夫。自信なんてものは、ちゃんと後からついてくるから。今はそう思えなくても、わたしが保証するわ。あなたなら大丈夫。」



お母さんを思い出した。
優しさと、安心感で包んでくれる、揺るぎない大きな存在を思い出して、泣きそうになってしまった。



『ありがとう。あっちゃん。』



そう言うと、ニコッと笑ってくれたあっちゃんと、その後YouTubeの企画案を考えたり、もしAGTに出たら、どの楽曲でどういうパフォーマンスをしようかと熱く語り合った。こんなにワクワクしたのはオーディション以来だった。



山崎「大丈夫よ。あなたが思っている以上に、味方はたくさんいる。負けちゃダメよ。」


『うん。』



悪いことばかりが続くわけじゃない。
こうやって、素敵な人に巡り会えたりするのだから、弱腰になるわけにはいかないんだと、またひとつ、背中をぐっと押された気がした。



明日から、またちゃんと学校に通うことになって、そこにはSPが付くってことも知らされた。

普通の学校生活を望んでいたけれど、今はどうでも良かった。

事務所に入ってからやっと少し前に進めている気がしたから。

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作者名:スヒョン | 作成日時:2024年1月16日 23時

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