IDOL_3 (ページ14)

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『You side』

滝沢「YouTube開設して、半年で100万人の登録者数を突破すれば、ってのでどうだ？」

『100万人、、』

山崎「大丈夫ですよ！椎名さんなら！」

山崎さんにそう言われて、『分かりました、やらせてください。』とそう答えた。

滝沢さんが出て行った後も、山崎さんはわたしのレッスンをじっと見てくれていた。
人に見られるのは慣れていなくて、なんだか落ち着かなかったけど、終始キラキラした顔で見てくれていて嬉しかった。
もしかしたら、AKIRAだった頃も、ファンの人たちはわたしの動画をこうやって待ち望んでくれていたのかもしれないと、温かい気持ちにもなれた。

『山崎さんは、』

「篤志」

『えっ、』

「あつし。名前。だから、あっちゃんて呼んで？♪」

『あ、、あっ、ちゃん、、』

「うん！なぁに？」

なんだか急に自分のテリトリーに入られた気がしたけれど、嫌な気持ちはしなかった。

『あっちゃんは、、AKIRAの、どこが良かったんですか？』

山崎「え？」

『顔も出してないし、その人が、どんな人かもわからないじゃないですか。わたしだったら、中身まで好きになれないと、応援出来ないかなって思うんですけど、、』

今、わたしを毛嫌いしてる人たちもきっとそうだから。

山崎「んー、そうだねぇ、。さっき言ってたこととは矛盾しちゃうかもしれないけど、いくら演技が上手くて綺麗な女優さんでも、素行が悪かったり、性格が悪かったりって人はたくさんいるんだよね。
それが明るみになると、途端にファンって離れて行くのよ、「やっぱりそうか」って。」

『、、、ちょっと、分かる、。』

山崎「でしょ？人ってね、どこかしら人の欠点を探してるものなの。芸能人なら尚更。だって、誰だって自分が一番可愛いから。誰だって、何かの、誰かの1番になりたいでしょ？」

『うん、、』

山崎「粗探しってのは、ある意味、人間らしいのよね。」

『、、、比べちゃうからね、、どうしても、、』

山崎「そうね。でも、絶対ボロは出る。」

『ボロ、？』

山崎「椎名ちゃん。」

初めてのちゃん付け。

山崎「毎日、投稿してたでしょ、3年間、ずっと。」

『うん、、好き、だったから、。演奏して、歌って、自由に踊るのが、、』

山崎「そう、それよ。」

『え？』

山崎「それが、伝わってきたの。だから目が離せなかった。この子は心から楽しいと思える事をやってるんだって。表情は見えなくても伝わってくるのよ。画面越しでも、そう感じた。それってすごい事なの。」