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ー阿部ー
崇徳上皇「鬼蜘蛛だ」
阿部「え、」
黒い霧の中に赤く光る目が複数見える。そこから見える大きな牙と大きな体から伸びる鋭い爪を持った長い手足が見え隠れしている。
阿部「辰哉、鬼蜘蛛だ!」
深澤「見えてるよ、でもなんでこんなところに。ここら一体は康二とハクタクの結界でああ言う妖は寄ってこないはずだ。」
大きくなった九尾である玉藻の背中に座っている辰哉は藤色に光る目を森の霧が濃いところは向けながら独り言のようにつぶやいた。
玉藻「操られてんのさ。」
深澤「え、一体何に?というか、あの鬼蜘蛛もう死んでないか?」
玉藻「え?まさかっ、」
佐久間「そんなことより、まずいよ!あの子の霊気がどんどん薄くなってる!このままじゃ死んじまうよ!」
一際大きな木のてっぺんにいる佐久間
マタタビ「辰哉、あんた玉藻の目を受け継いでんだろ?何か見えないのかい?」
玉藻「そう急かしなさんな。ずっとやってるさ。」
深澤「あ、見えた!あの木の影にいる!」
辰哉が指差した先には濃い霧が立ち込めていて俺たちでは何も見えない。
阿部「とりあえず突っ込んでみるしかないか」
そう言いながら崇徳の方を見ると、
崇徳上皇「いいや、待て亮平。」
阿部「?」
佐久間「なに?行かないの?」
マタタビ「大介、ちょっと待ちな。あの方が、」
佐久間「え?」
玉藻「かぐや様がいらっしゃる・・・」
深澤「え、かぐやって、」
辰哉がそう言いかけた瞬間だった。それまで立ち込めていた黒い霧が円を描くようにその場所だけすっぽりとなくなったかと思うと、その中心には十二単を着た女があの子を抱き抱えながら座っていた。
玉藻「・・・かぐや、様、」
【わたしはこの子に憑くぞ。玉藻、マタタビ、崇徳よ、雪乃屋の皆に伝えよ。この娘は、わたしの加護下にある。特殊な力を持った娘だ。呪いにより今は力を出せぬが、あやつらから妖を守れるのはこの娘しかおらぬだろう。】
阿部「あやつら、?」
【陰陽師の奴らだ。あやつら、こんな娘一人に酷い仕打ちをした上に呪いまでかけて今度は殺そうとしている。許しがたい事だ。】
阿部「何故そんなことに、その子も陰陽師の人間なのでは?」
【本人から聞くのが早いだろう。目覚めたら聞くがいいさ。あ、あの鬼にもちゃんと聞かせな。】
深澤「蓮は、あなたを嫌っていました」
【全く、昔のことをネチネチと。まぁいい、玉藻この子を頼むよ。わたしは呪いのせいでいざという時しか姿を表せない。任せたからね。】
そういうと、かぐやという妖は消えていった。
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Asura(プロフ) - ありがとうございます!楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして!コメントありがとうございます!まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください!移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして!スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか? (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます!usermho6x4ya37←こちらになります!作品名検索でも出てくると思います! (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます!嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スヒョン | 作成日時:2023年4月22日 2時