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森の中に足を踏み入れて直ぐに感じた違和感。複数の気配の中にとてつもなく邪悪で混沌とした気配を感じた。
今までこんな気配を感じたことはない。
足を進めていくうちに黒い霧はどんどん濃くなって行き、嫌な気配も近く大きくなっている気がする。
『早く見つけないと・・・。』
かなり中に入って来て、巾着を落としたであろう場所まで来る。
『おかしいな、この辺のはずなのに。』
その時だった、複数の足音のようなものが聞こえてくる。静かで気味が悪かった。思い切って後ろを振り返るけど誰も、何もいない。すると黒い霧が裏から降って来ていることに気が付いて、ふと見上げてみると、
『っ！！』
自分の視界いっぱいに張り巡らされた蜘蛛の巣の中央に、大きな蜘蛛が大きく複数ある目をこちらに向けてじっと見ていた。
『(逃げなければ)』
咄嗟にそう思い、後退り背を向けて走り出そうとしたその瞬間、背中に強い痛みが走り、その場に倒れ込んだ。
蜘蛛の手には鋭い爪のようなものが生えていて、治療してもらったばかりの背中に、また大きな傷が出来てしまった。
『っ、、』
ただ、逃げならば殺されるという思いからそのまま走って木の影に身を潜めた。やはり来るべきではなかった。でも、あんな大きな蜘蛛があの辺りにいるなんて来た時は何も感じなかったなのに。と、荒れる息を整え震える足をぎゅっと抱きながら気配を消すことに集中していると。
じわじわと背中が痛み始める。
傷の痛さではない。背中から上半身にかけてが燃えるような痛みが体を支配していく。
『はっ、っなに、これっ、』
痛みに耐えようと自分の体を抱きながら、腕で口を押さえて必死に声を殺す。寒さなのか恐怖なのか痛みからなのか体の震えは一向に止まらない。
飛びそうになる意識を必死に引き止めながら呟いた。
『誰かっ、』
その時、突然空が真っ暗な雲に包まれて強い光と共に雷の音が轟いた。ぎゅっと目を瞑り更に身を小さくする。
【お前に死なれては困る】
低い、女の人の声が頭の中に響いて咄嗟に目を開けると、わたしを襲って来た恐ろしい蜘蛛はわたしの目の前で目の光を失い倒れて、ぴくりとも動かなくなっていた。
『え、、』
しかし、黒い霧はどんどん濃くなる。蜘蛛を包むように集まって来て自分の目の前にある指すらも見えない。
「見えた！玉藻、あの木の影にいる！」
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Asura(プロフ) - ありがとうございます！楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (
レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして！コメントありがとうございます！まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください！移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして！スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか？ (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます！usermho6x4ya37←こちらになります！作品名検索でも出てくると思います！ (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます！嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年4月22日 2時
