9.任務 ページ9
〈夏油 Side〉
「台東区の廃校で一級呪霊が4体確認されたそうだ。急いで任務に向かってくれ」
担任から司令を受け、私達は補助監督の運転する車に乗り込んだ。
今回、任務に参加するのは3人。
悟、私、そしてAだ。
あんな事があって、それほど時間が経っていないため、彼女との空気感は
“死ぬほど気まずい”
の一択である。
それなのに悟は1人助手席に乗り、私とAを後部座席へと追いやった。
全く何がしたいんだ、あいつは。
「今回祓う呪霊達は一級レベルと思われます。
特級程ではありませんが、十分注意をして戦闘を行って下さい。
呪霊の種類についてですが…」
補助監督が真面目に説明しているのに集中できないのは、
隣に座るAのせいだろう。
決して小さな車体ではないものの、
後部座席に彼女と座るとなると肩身狭く感じてしまう。
運転席の後ろに座るAは、熱心に補助監督から受け取った資料を読んでいた。
たったそれだけのことなのに、生唾を飲むほど目を惹かれる。
髪の毛綺麗だな。
それに肌もすべすべだ。
スカートから覗く脚は、女性らしさもありつつ鍛えられている。
睫毛は長いし、ほんのりと色づく唇は何処か色っぽい。
資料を覚えようと必死になるあまり、
ついつい文章を小声で読んでしまうのさえ愛おしい。
あぁ、なんて可愛いんだ。
……ん?
今、私はAのことを可愛いと思ったのか?
そんな、あるはずがない。
だって、女性という存在に失望したあの頃から、
ずっと経験してこなかったじゃないか。
“好き”とか“愛しい”だとか、そんなもの私には…。
「おい傑、何ぼーっとしてんだ。情けねー奴」
「あぁ、すまない。睡眠不足でね。補助監督さん、続けて下さい」
「分かりました。次に現場となっている廃校についてですが…」
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桜都葉(プロフ) - エーミールさん» 直ってます直ってます!!すいません、お手数おかけしてしまいまして…!!これからも、応援してますね!! (3月20日 22時) (レス) @page3 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
エーミール(プロフ) - 桜都葉さん» イマイチ占ツクの名前設定について理解しておらず…只今設定し直しました!大丈夫ですかね…? (3月20日 21時) (レス) id: 7ca7fd7c36 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉(プロフ) - 勝手ながら、ご指摘させていただきます…!夢主の名前は、( )を付けて(名前)としないと、名前に変換されませんよ…!お話、すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (3月20日 16時) (レス) @page3 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - しろりんさん» ごめんなさい!私の確認不足でした…書き換えておきます><: (3月14日 17時) (レス) id: a0318775f1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - さしす組が高専の時はガラケーだから、PayPayのアプリは無いですよね? 😮´- (3月14日 17時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょん | 作成日時:2024年1月31日 15時