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臨時休校を明けて、学校へ向かう途中。
「………」
完全に無言である。
どれもこれも、昨日勝己が私に、き……キキキキスをしてきたせいである。
まあ別にちょっと気まずいってくらいで、完全に離さないわけではない。「遅ぇ」「うるさい」みたいな会話はした。
「勝己ー」
「……なんだよ」
「昨日のー、えっとー、あれは」
そこまで言うと、勝己は舌打ちをしてそのまま早く歩いて行ってしまった。急いで追いかけて勝己の前に立つ。
「あのさ」
あ？と目つきを悪くして私の目を見た勝己は、一瞬で目を逸らしてしまった。
「私、まだそういうの分かんないし、勝己の事は幼馴染としか思ってなかったけど」
勝己はポケットに手を突っ込んで目を逸らしながらも、私の話に耳を傾けていた。
「私が勝己の事を好きだーって思えるように頑張りたまえ！！！」
「随分偉そうだなァオイコラテメェ！！！！」
「ハッハッハッ！！！！黙れ！！！！」
とりあえずはいつもの空気を取り戻せた。
心の中で安心しつつ、それだけ、と笑って、勝己の隣をもう一度歩いた。
＊＊＊
「おはよー！！！」
バァンッ！！！！と扉を思い切り開けてスキップをしながら席につく私を奇妙な目で見る切島と瀬呂。
今スカートが少し……と呟く峰田は後で死んでもらうとして、私は席に座っている瀬呂に話しかけた。
「おはよー！！今日も日本人らしい顔だね！！」
「お前は何なんだよ！！！！」
「うるせぇぞ醤油顔！！！！」
「爆豪お前まで！！！！」
「やーい醤油顔ー！！！！」
「くっそおおおおおお切島ぁぁああ！！！助けろ！！」
「ごめん瀬呂無理だわ」
ウワアアア！！と泣き出す瀬呂を放って、私は勝己にちょっかいを出し始めた。
「椅子蹴んなウゼェ！！！！」
「かっちゃんこわいよ！！！」
「その呼び方やめろや！！！死ね！！！」
「お前ら相変わらずだな……」
上鳴。そんな目で私を見ないでくれ！！
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作者名：涼野このみ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sugnk１/
作成日時：2017年10月25日 18時
