Episode 138 ページ25
、
目が眩んで何も見えなくなる感覚――。
微かに聞こえる誰かの声、私の名前を何度も何度も呼んでいる。目を覚まさなければと目を開けようとするのに、まるで呪いにかかったかの様に、目が開かない。
――ヒロトの、声。
安心させてあげなきゃ、ヒロトは心配性なんだから、だから。そう思っているのに、指一本も動かない
「……ね………A……ぇ……ね……！！」
「――――Aっっ！！！」
ボヤーッとした暗闇の中で、突如大声で叫ばれる。ハッとして目を大きく開けると、目の前にヒロトが立っていた。目尻に涙をためて、眉を下げている。
私が目を開けて「ヒロト」と彼の名前を呼ぶと、ヒロトは私の頬に涙を滴らせて、私に抱きついてきた。
「――ごめんなさい」
「――無茶しなくていいんだよ！」
……でも、どうしてヒロトがいるんだろう。
「雷門は……？」
「無事にダークエンペラーズに勝って、今そこのグラウンドでサッカーしてるよ、Aが倒れたって聞いたから、みんなで急いで駆けつけてきたんだよ」
「そういうことかあ……ごめんね――」
一緒に雷門と戦いたかったのに、みっともなく倒れて最終的にみんなに迷惑を掛けてしまった。謝る事しかできない。私はなんの為にここに来たんだろうか。
「私、何もできなかったなあ」
「そんなことないよ」
「え？」
「Aは俺達の事を否定しないで、研崎に立ち向かってくれた。ずっと我慢していたんだろう？研崎に言いたい放題言われて、我慢の限界になって――身を犠牲にしてまで、俺達のために頑張ってくれたじゃないか！」
ヒロトが笑う。
そして――もう、本当の最後だ。エイリア石も、研崎も。これでみんなとまた、本当のサッカーができる。沢山朝から晩までサッカーができる。
強さに縛られなくていいんだ。
「とりあえずAは今から病院で治療してもらうよ！」
「えぇ……大した怪我じゃな………うっ」
「ほら！行くよ！」
ヒロトの背中に乗せられて、私は雷門の姿を見つめながら姉さんの車に乗り込んだ。
最後に言いたいのは。
――雷門に「ありがとう」っていう気持ち。
「色々あったなー……」
ふぅっと溜息を吐いて、小さくありがとう、なんて呟いてみたりする。
――私を救ってくれた雷門に。
心から、ありがとう。
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涼野このみ(プロフ) - 凪沙さん» やーんすき!!ありがとう!!頑張るね!!頑張ってヒロトとイチャイチャさせる!! (2017年7月19日 20時) (
レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - このみんエイリア編完結おめでとー!!世界編期待してます（笑）頑張ってね！ (2017年7月19日 19時) (レス) id: 38003636ff (このIDを非表示/違反報告)
涼野このみ(プロフ) - 雨宮シロ@ブイブイさん» ありがとうww (2017年7月17日 20時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
雨宮シロ@ブイブイ(プロフ) - 更新お疲れさま( ´艸｀) (2017年7月17日 18時) (レス) id: 3fff5a4af9 (このIDを非表示/違反報告)
涼野このみ(プロフ) - 凪沙さん» コメントありがとう！いやいや、私なんてまだまだ未熟者だし、他の作者さんには到底及ばないよ〜……。私は凪沙ちゃんに尊敬してるかな。ありがとう！これからも頑張るねー！ (2017年6月5日 14時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼野このみ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sugnk１/
作成日時：2017年6月4日 12時
