Episode 127 ページ14
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小さい頃、木陰で泣いているヒロトを見つけた。どうしたの？って声を掛けたら、泣きながらどうして泣いているのかを話してくれた。目が腫れ上がっていたのは、それほど辛かったからなのだろうって感じていた。
「俺、この名前……っ父さんの死んだ息子の名前なんだって。父さんの部屋にある、父さんの息子の写真に写ってたヒロトは、俺にそっくりだった」
「父さんの……？」
相当辛かったのだと思う。重ね合わせられていただけだと感じてしまっていたから。
父さんはヒロトを贔屓することが多かった。だけれど、もしかしたらヒロトは、一番愛されていなかったのかもしれない。
本当の、自分を。
けれどヒロトは言った。
父さんの喜ぶ顔さえ見ていられれば、へっちゃらだと。大丈夫だと。たとえ存在を否定されようとも、必要とされなくなる日が来ようとも、たった一人の父さんなのだからと。
「そっか、わかった！」
私はそう言って、泣きやまないヒロトの手を引いた。
＊＊＊
父さんは、ヒロトの話を聞いたあと、玲名の元へボールを渡した。ころり、と転がったボールは、玲名の足元でピタリと止まった。
父さんは両手を広げて、ヒロトの前に立った。そして、さあ打て、それでお前の気が収まるのなら、と言った。
玲名は歯を食いしばって、ボールを蹴ろうとした。
しかし、その足は、ピタリと止まった。
「打てない、打てるわけない……っ。
だってっ、だって貴方は、私にとっても、大切な父さんなんだぁっ……！」
途端に泣き出す玲名を見て、おさえていた涙が限界に達した。どんどん涙が零れていく。
父さんは傷だらけの私を笑顔で施設へ迎えてくれた。今日からここが私の家で、皆が私の家族なのだと言ってくれた。居場所を作ってくれた。幸せをくれた。家族の大切さを、家族を教えてくれた。
「……私は人として恥ずかしい……。
こんなにも私を思ってくれる子供達を、単なる復讐の道具に……っ」
父さんは地面に力なく座りこんだ。
鬼瓦刑事がやってきて、事件の真相を話すよう呼びかけると、父さんは頷いて、どうしてこんな事になったのかを話した。
エイリア石のこと、吉良ヒロトのこと、お日さま園のこと。私はすべてをしっかりと聞いた。
――その時だった。
話し終わったあとすぐに、地面が揺れ、学園が壊れはじめた。
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涼野このみ(プロフ) - 凪沙さん» やーんすき!!ありがとう!!頑張るね!!頑張ってヒロトとイチャイチャさせる!! (2017年7月19日 20時) (
レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - このみんエイリア編完結おめでとー!!世界編期待してます（笑）頑張ってね！ (2017年7月19日 19時) (レス) id: 38003636ff (このIDを非表示/違反報告)
涼野このみ(プロフ) - 雨宮シロ@ブイブイさん» ありがとうww (2017年7月17日 20時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
雨宮シロ@ブイブイ(プロフ) - 更新お疲れさま( ´艸｀) (2017年7月17日 18時) (レス) id: 3fff5a4af9 (このIDを非表示/違反報告)
涼野このみ(プロフ) - 凪沙さん» コメントありがとう！いやいや、私なんてまだまだ未熟者だし、他の作者さんには到底及ばないよ〜……。私は凪沙ちゃんに尊敬してるかな。ありがとう！これからも頑張るねー！ (2017年6月5日 14時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼野このみ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sugnk１/
作成日時：2017年6月4日 12時
