EP.56 ページ9
「そういえば、どうして浦原くんはこんな朝早くから外に?」
そこ気になっちゃったかあ。確かに早起きの御老人以外はこんな早くから外出んわな。
秒速で作った嘘をつらつらと並べておく。
「今日はいつもより早く起きちゃって。2度寝出来なかったんで散歩でもしようと思ったんですよ」
そしたらこのざまですわ!と笑っておく。散歩じゃなくても迷子はあかんて。高校生が道に迷ったら駄目だと思う。
「伊達さん達は?」
「俺らは仕事だ。夜通し張り込みをしていてな…」
「張り込み」
「今はその帰りだ」
男2人で朝帰りとかまさかアッチ系の方だったんですかとか思いました土下座します許して。どうやら腐の友人の影響を受けているらしい。
「すっげえ刑事ドラマで見るやつだ…!」
「実際はドラマより地味だけどな」
格好良い仕事って実は地味なやつ多いよね。でも事件が派手に起きたら怖いと思う。ひっそりと起きても怖いけど。
突如、ぽと、と音がして何かが落ちる。
「おっと…」
落としたのは手帳。伊達さんが拾おうとしゃがみこむ。
すると目の前に車が迫って来た。
しかもよく見ると、運転手は居眠りをしている。
咄嗟に私は伊達さんを突き飛ばし、チート機能を駆使して車を操作。
「危ない!」
伊達さんと私は倒れ込み、車は何にもぶつかることなく止まった。
「伊達さん、大丈夫ですか!?」
「あ、ああ。浦原は?」
「俺は大丈夫です」
嘘です左足がなんか痛い。もしかして挫いた?
2人が車の捜査に入る。それを見ながら陰に隠れた。
中村先生、ミッションクリアしましたので早急に手当てしろください。凄く足首が痛い!
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作者名:杉元 | 作成日時:2020年5月26日 14時