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09＊ ページ9
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丈「…大橋、手離したれよ」
和也「えー？」
私が固まってしまったことに気付いて、藤原先輩がかずくんの手をサッと払い除けてくれる。
先輩のそういう気遣いができるところがモテるんだろうな…。
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丈「えーじゃないねん。女子と距離近すぎやわ」
和也「でもAやし。なあ？」
「あっ、そうだね…」
何気ないひとこと。だけど、
私は女子じゃない…って言われてるみたいで、ちょっと苦しい。
かずくんと会うと、いっつもこう。
キュンとさせられたかと思うと、しょんぼりもさせられて。…感情が追いつかない。
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丈「ええからほら、授業遅れるから行くで」
和也「あ、丈くん待ってや！」
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「もー、ほんま歩くん早いわ…」ぽつり、とかずくんが呟く。
藤原先輩の姿はもう見えなくなっていて、
代わりにトンットンッと階段を一段飛ばしで
駆け上がる音が聞こえる。
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和也「じゃあA、また部活でなー」
「あっ、うん」
和也「持久走頑張ってきー」
ぽんっ、と大きな手のひらで私の頭を撫でて、
ニコニコの笑顔で去っていくかずくん。
「……っ、」
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だから、その笑顔に弱いんだってば。
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作者名：ゆうり | 作成日時：2022年1月9日 12時
