佐野妹は白濱彼女。 Part5

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『亜嵐っ、嬉しい……』





私が言うと、亜嵐はなぜかポツリとお墓と言う





思い出した、ずっと前亜嵐はプロポーズに言いたい言葉とやらを言っていた





確か、同じお墓に入ろうなとかだった気がする





それを、今から言ってくれるんだ……





嬉しくて、頰が緩む





「ここが、Aの墓場だ」





『うんっ……うん？は？』





ここが、Aの墓場だ……？





「え、なにそこ喜べよ」





『喜ばないよ、今なんて言った？』





「へ？」





だめだ、あんな大事なセリフを言った時にこやつ心の中で別のことを考えていたな





『はぁ、ここが私の墓場だって？』





「うそ、そんなこと言った？

違う違う、同じお墓に入ろう！ね？」





『ばーか』





ね？の言い方に萌えたけどそこはなんとかこらえて、そんな照れ隠しを口にする





『こんな大事なタイミングでそんな馬鹿げた言い間違いするやつがどこにいるよ』





「いや、ほんとごめん」





さっきからずっと手に持ったままの小さな箱を私に向けてぱかっと開けた亜嵐





「言い間違えてごめんなさい

……俺と、結婚してください」





『こんなところで言い間違えちゃう亜嵐も大好き

……私を、亜嵐のお嫁さんにしてください』





ぺこりと頭を下げると、亜嵐は口に手を当ててところどころヒヒって笑う





「手、だして」





言われた通り、手を出すと私の指にその指輪をはめてくれた亜嵐





するといつの間にかその光景を見ていたのか周りの人たちが拍手をしてくれた





中にはファンの子もいたようで、涙を流しながらおめでとうと言ってくれている





「この度はご婚約おめでとうございます

こちら、私たちからプレゼントです」





お店からも小さなケーキが２つ





『ありがとうございますっ』





「俺らいつもうるさくてすみません」





私たちが言うといえいえと笑う店員さん





本日、私は白濱亜嵐の婚約者になりました

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