静寂の朝、君といる世界。~ school days ~ 【 Tk × In 】 (ページ5)

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伊野尾side

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HRが終わると同時に大勢の人に囲まれる高木。

お前は邪魔だ、というような目で見てくる奴がいたので俺はその場から離れた。

なんとなくトイレに来たのはいいものの、用を足したいわけでもないので鏡に写る自分を見てみる。

やっぱり、いつも通り。

そういえば、さっき高木に顔立ちについて誉められた事を思い出す。

本当にそうなのか確認しようと鏡に写る自分をみなおすと、

俺の顔が真っ赤に染まっていた。

同時に俺の鼓動が早鐘を打っているのも感じた。

まさか、俺、高木に恋してる……??

いや、今日初めて会ったんだし、それに相手は男だ。

俺は別に同姓愛者ではない。

ないない、と心に何回も言い聞かせ何事もなかったかの用に教室へと向かう。

「あっ、伊野尾くん!!」

後ろから大きな声で名前を呼ばれた。

慧「高木……さん!!
なん、で…??」

危うく呼び捨てにしそうだったが何とか堪えた。

とはいっても俺を追いかけてきた理由がわからない。

雄「いやぁ、俺伊野尾くんと仲良くなりたくて。」

いい?と無邪気に見せる笑顔に心臓が悲鳴をあげる。

なんか、気が狂う。

慧「良いですけど…
俺なんかと仲良くなったって意味無いですよ。」

所詮俺はただの凡人なのに比べて、高木は学校のアイドル感が半端ない。

そんな俺らが横に並ぶと不釣り合いすぎて笑えてくる。

雄「じゃあ、早速今日美容室行かない?
俺の友人が美容師なんだよね。」

そういえばさっき約束したっけ。半ば強引に。

慧「いやです…
この髪の毛のままが良い。」

雄「なんで?勿体無い!!」

自分の事のようにリアクションする高木が面白い。

慧「人避けになるから。
俺人と関わるの嫌いなの。」

だから行けない、と伝えようとすると
大きな手が俺の顔を包み込み、ｸｲｯと持ち上げる。

雄「そんな理由なら尚更連れていく。
伊野尾くんに拒否権ねぇから。」

じゃあ、教室戻ろうと言って手を握られる。

久しぶりに触れた手の温もりに思わず顔が緩んだ。

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