頼むから見てくれ。ニート6人を飼う男が『彼氏ぶる姿』を 4

第92話　愛がしらけて、しまわぬように ページ49

現在、マリアの部屋
寝転ぶマリアの上に毛布猛烈に積み上げて、それを見つめる俺



ワインをしまおうと、開いておいた冷蔵庫のドア
それに消火器が見事に当たって閉まった
内側の緊急用のノブを押したが経年劣化で死んでいた

…だってさ



マリアは救急車を断固拒否した



マリア『『冷蔵庫に閉じ込められて！キンキンに冷えてるんです店員が！！！』とかもう…。そんなんもう…笑恥ずかしいからやめて…』



らしい




マリアをタクシーに詰め込んで自宅に送り込んだ
ビタビタの俺と凍えるマリアを見て目を見開いた運転手さん
アナタの表情は一生忘れない




マリア「………」
YG「………」




布団を押しのけて起き上がったマリア
かけた毛布事膝を抱えてぼーっと何かを考えてる


いつもよりかなり大人しい顔してる
何か大事なことを考えているような…？


じーっとマリアを見つめてたら不意にこっち向いた
目が合うと何か言いたげにし始めた


…別れよう、なんて
言わないよな…？

やっぱり友達の方がよかったなんて
そんなドラマみたいなこと言わないよな？

マリアが何か言う前に俺がなんか言わないと…



マリア「…あのさ」
YG「っ…待て！」



自分でもびっくりするぐらい大きい声が出た


マリア「え…いや、あの…」
YG「待て。…悪かった」


次
次の言葉

次はなんて言う？

早く何か言わないと…



YG「その…」
マリア「なに？」



あー全然出てこない
思わず自分のおでこをぺしぺし叩いた




愛してる…違うな
好きだ…違う

ごめん…これも違う




今マリアが求めているものは、なんだ




YG「…俺、どうしたらいい？」




何聞いてんだよ俺は
ほらみろ
マリアがくすくす笑って…





笑ってる…？





マリア「そんな深刻な顔してどうしたの笑」
YG「……笑うなよ笑」
マリア「いやだってさ笑深刻すぎて笑」
YG「そりゃ深刻にもなるだろ。連絡しろって言った割には通話出ないしお前笑」
マリア「連絡できると思う！？あの状況で！！！！」
YG「はいはい。ごめんごめん笑」




なんとなくキスがしたくなって
軽くキスをしてみた



マリア「…分かってるじゃん？あたしが欲しい物笑」



…それだけ？
キスだけ？

それで許してくれんの？



マリア「っ！？」



だったらもっと、許してもらおうか
マリアをベッドに押し倒して手を押さえた

そのまま体を近づけてまたキスを…





マリア「…壁」

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