クリーム色の青春【菅原孝支】 (ページ9)

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9.友達の好きな人ページ9

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これってきっと、“そういうこと”だよね？
私、自意識過剰じゃないよね？
少し赤く染まっているような気もする澤村の頬と真剣な瞳。
そして…この人は、親友の好きな人。

私は思わず掴まれた腕を振り払ってしまった。

「あ……」

思い人にそうされる事がどんな気持ちになるのか。
私には分かっていたはずなのに、反射的にそうしてしまった。
だって誰かに見られたら…。
結に誤解されたら…。
結を傷つけたら……。

「ごめん、宮下。変なこと言って。忘れてくれ」

澤村はいつもの爽やかな笑顔で、私にそう言った。
なんて優しくて心が広いんだろう。
私は自衛の気持ちから手を振り払ったのに。
謝らなければいけないのは私なのに。

「…いや、忘れられたら困るな」

俯いて返事に困っている私に、澤村の優しくて真剣な声が降って来る。

「俺、宮下のことが好きなんだ。友達からでもいいから、考えてくれないか」

澤村の事は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
でも、私の中では、結の好きな人って言うだけで対象外なんだよ。
でもこんな真剣な告白を、簡単にそれで片付けてしまっていいのかな。
結に話せば、心では泣きながら“私の思うようにすればいい”と言うはずだ。
澤村と結の真剣な気持ちを…私なんかが決められない。